松野さん家は、どこかおかしい。

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『…ん、…ちょ、
やめてくださいってば…っ。』


「…んふふ、えっちぃ声してんねぇ、

このままお兄ちゃんとシちゃう？」




『…マジで訴えますよ。』



「…もう、照れ屋さんなんだからー。」
『断じて違う。』







本気で訴訟を起こしたら勝てそうな気がしてきた。





腰を指で撫でられ、
顔や首元に転々と色濃くキスをされる。





無論、拒否権など無い。

つか逃げられない。




『…っん、



…あの、
私達、仮にも兄妹なんですよね？

こういう事、する必要あります…？』




「…勿論、可愛い妹とのスキンシップは必要だろ？」


『いやいや、“スキンシップ”って貴方…っ、』





私を飼い犬が何かと勘違いしてんのか。



……いや、そうだとしても
これはおかしいだろ。







『……あの、本当に、
私の“親戚”なんですよね…？

やっぱり、あまりピンと来なくて…。







……大体、勝手にこんな事しちゃって良いんですか？』




「良いの良いの。
どっちにしたって君を引き取るつもりだったし。



それに、Aちゃんもお兄ちゃん達と一緒に居る方が良いでしょ？」





『……はぁ、』





いや、どっちかって言うと、嫌なんですけども。




『…あの、聞いても良いですか。』




「ん？なーに。」


『…ずっと気になってたんですけど、

貴方って、何をしている方なんですか。』



「……え？」




『…その、雰囲気というか、
何となく普通の人には見えないというか…。』








「……あー、そっかぁ。
やっぱ気付いちゃう？」


『…資産家か何かなんですか。』

「んー、まぁそんな感じかなー。




…一応、こう見えて組織を纏めるボスの端くれでさぁ。」








…やっぱり、
それなりに地位のある人なんだ。



だったら尚更、私を匿った理由が分からない。




『…あの、因みにどういう組織なんですか？

会社とか…？』





直後、彼の目の色が変わった。

それと同時に、口角がゆっくり上がる。





「……んー、ちょっと複雑で説明しづらいんだけど、




簡単に言っちゃうとさ、」






身体を引かれ、

耳元に口が近づく。









.









.









「_________人殺した事あるんだよ、俺。」

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