06 ページ7
_________"従兄"。
目の前の男は、確かに言った。
一応言っておくが、私には“兄妹”なんて概念は存在しない。
生まれてこの方、ずっと一人っ子だ。
『…人違いですよ多分。』
「まさか、可愛い妹の顔を忘れる訳無いだろ…?」
『…兄妹なんて、私には居ませんよ。
…第一、
私、貴方のこと知らないし、
従兄が居るなんて今まで一度も聞いたことないし……。』
「…へェ、そうなんだ。」
大人は酷い事するなぁ、
そう小さく呟きながら、
"おそ松"という男は私を見下ろす。
「…大丈夫だよ、これからはお兄ちゃんがついてるから。
おいで、ほら。」
直後、腕を掴まれ引っ張られる。
『は、…ぇ。
ちょちょ、ちょっと。
……何処行くんですかっ。』
「え、俺ん家。」
『は?…何で、』
「君を引き取りに来たの。」
えっ、
『…な、そんな急に言われても…。
聞いてないし…、』
「…良いから、おいで。」
…冗談じゃない。
そんな事知るか。
聞いてないし、
『ちょ、待ってくださいっ…。』
掴まれた腕を、
私は慌てて振り解く。
「こら、暴れないの。
良い子だから。」
『いや…、ちょ、…きゃっ!?』
身体を引き寄せられ、
軽々とお姫様抱っこをされる。
「じゃ、行こっか。」
『え、』
有無を言わせず、
手を引かれるまま
私は攫われた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お姫様抱っこをされたかった人生。
by作者
252人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「おそ松さん」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もふ田もふ猫。(プロフ) - こっそりクソデカ感情持ちな長男大好きです……ありがとうございます…… (2021年5月9日 19時) (レス) id: 2107166e13 (このIDを非表示/違反報告)
:-)(プロフ) - アッツ……チョロリス……素晴らしすぎて吹きました。有難うございます。 (2020年11月26日 22時) (レス) id: d5e2ef2656 (このIDを非表示/違反報告)
曖昧なココロの持ち主@妄想鑑賞代償年齢(プロフ) - 作品見ました!Rtiさんの作品はミステリアス感が出てて話の続きが凄く気になります!!これからも更新頑張ってください!応援してます!! (2020年10月20日 22時) (レス) id: 1c08174ba3 (このIDを非表示/違反報告)
アイクルト - 何気に作者さんのあとがき、、、?独り言、、?が好き← (2019年12月1日 21時) (レス) id: ef72670758 (このIDを非表示/違反報告)
Rit(プロフ) - キヤラメルさん» えっ…////… トゥンク (2019年10月22日 22時) (レス) id: ad53a4c674 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ