非公開 (ページ29)

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神様の妻になってしまった。

しかも神狐様の。

圧倒的年の差婚。

後悔は無い。

だって自分で決めた事だし。

けれども、これは世間一般的には
アリなのだろうか。

異性とは言え、

人外だし、

神様だし。

両親や友人に伝えたらどう反応されるだろう。

そもそも、

「神様に嫁入りした」なんて言っても
果たして信用されるだろうか。

ただの頭の悪い子だと思われるかもしれない。

……うーん、

『うわッ！？』

他愛も無い事を考えながら
台所に立っていると、

背後から思い切り抱き寄せられる。

『……おそ松様…、
驚かさないで下さいよ。』

「……。」

……そもそも、

他の人間に彼は見えているのだろうか？

というか、何で私には見えているんだろう？
霊感があるから？

神社の家の娘だから？

…それとも、

「おい。」

『へッ！？
……何ですか。』

「手ェ止まってるぞ。
何ボーッとしてんだお前。」

『…あ、…すいません。

…ちょっと考え事してて、』

「…危なっかしい奴だな。
何を考えていた。」

『…ッ、おそ松様には、
関係の無い事ですよ…！！』

……完全に関係ある事ですけどネ。

まぁ、いいや。

その時の事は、
その時に考えよう。

休めていた手を、再び動かす。

「……なぁ、」

『何ですか？』

「…お前にずっと言いたかった事があるんだが。」

『ぇ、何ですか改まって。』

包丁を持つ手を掴まれ、

強引に顔を向かせられる。

「……いい加減、その呼び方をやめろ。」