非公開

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本心を言えば、

即刻神社に帰らせて、
今度こそ留守番させたい所だが。





………一人にさせる事すら不安に思えて仕方ないので、

とりあえず、私の家に連れて帰る事にした。







『……ところで、さっきの小芝居は何だったんですか。』


帰途の最中、
彼の腕を引きながら、


ずっと気になってた事を聞く。




「…は？小芝居？」

『“彼氏”だの“デート”だの、
有る事無い事言ってたじゃないですか。』




「…そいつは心外だな。
迎えに来た事は本当だぞ。」


『…大体、何ですかあのキャラは…！！

正直びっくりしましたよ…、
貴方、二重人格か何かなんですか。』



「……人間は、ああいう男が好きなんだろ？

…垂らし込む為に化けただけだ。」




『……“化けた”って…、
というか、貴方“尻尾”はどうしたんですか。』




尻尾どころか、狐耳も無い。
服だって人間の服……、








何処からどう見ても、彼は正真正銘の“人間”のようだった。







「……だから、“化けた”って言ってんだろ。
俗界に干渉するには、姿を変える必要があったからな。

…ちっぽけな人間になったのは癪だが。」




『……そう、ですか…。』









………少し、かっこいいな。

なんて思ったりもして…。





口をキュッと結んで、下を向く。

なに緊張してんだ私……、









指を絡め、彼と繋いだ手が、
一層熱く感じた。

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