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「____ところでさ、Aは“彼氏”出来たの?」
『ぶッ!?』
突如訪れる、どストレートな質問に、
思わず私は飲みかけの茶を吹いた。
「…ちょ、大丈夫!?」
『…っヴァ、…ッげっほゲッホぉ…っ!!』
恐ろしく激しい自分自身の動揺に、
私はむせ返った。
「…ビックリしたなぁ、もう…。
あ、でも。
そーいう反応って事は、彼氏居るんだ。」
『いやいやいや、ッ居ないし!!』
「これでAも脱非リアだねー。
おめでとー。」
『だから違うってば…!!!』
「…違う事無いでしょ〜。
途端にそんなに顔赤らめちゃってさぁ。」
友人にそう言われ、
自分の顔がとてつもなく熱いことに気づく。
……何取り乱してるんだ私…。
い、いや。
でも、おそ松様は彼氏とかそーいうのじゃないし…。
ただの付き人っていうか…、
いや待てよ。
そういえば私プロポーズされたんだったっけ…!?
わああ頭の中パニックになってきた。
「……どんな人なの?
カッコいい?」
『…うーん。
……かっこいい、のかな。』
そりゃ、顔立ちは綺麗な人だけど、
私には、毒舌で性格悪い印象しか無いんだよなぁ。
神様の癖に、
“気品さ”もクソもありゃしない。
目付き悪くて、
乱暴で強欲。
嫉妬深くて束縛激しいし…、
って、
私、またおそ松様の事考えてた……。
はぁ、
…お留守番、ちゃんとしてるのかなぁ。
「…Aー、
ちょっと、聞いてるー?」
『……え?』
「……だから、今度Aの彼氏紹介してよ。
どんな人か気になるしさ。」
『え、』
「…駄目?」
『……うーん、どうだろう…
ちょっと人見知りな人だからさ。』
わざとらしく首を傾げながら、
私は顔をしかめる。
……いや、人見知り以前に神様だよあの人。
それに、きっと神社から出られないだろうし、
人間の世界に連れて来れる訳…
「…ほぉ、主人である俺を放っといて、
随分と楽しそうな事してんじゃねぇか。」
突如鼓膜を直撃する、
本来は聞こえる筈の無い声。
肩に手を掛けられる感覚。
全身の血の気が引くのが、何となく分かった。
「………捕まえた…♡」
これは夢だと、強く信じたい。
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緑の白猫 - rフラグの限界を試す語彙力。 (2021年4月19日 20時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
りだ兄(プロフ) - 兄様、最高すぎです。 (2019年9月13日 23時) (レス) id: b7a49e66ce (このIDを非表示/違反報告)
Rit(プロフ) - あまもさん» にゃー。 (2019年9月13日 22時) (レス) id: ad53a4c674 (このIDを非表示/違反報告)
あまも(プロフ) - 猫ktkr (2019年9月13日 21時) (レス) id: 6a329060ea (このIDを非表示/違反報告)
ただの通行人(プロフ) - 結婚式か。良き良き……是非呼んで下さいな。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: 535205595b (このIDを非表示/違反報告)
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