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侍女「おかえりなさいませ!
あぁ、心配いたしました
なかなか戻らないので…
探し物は、見つかりましたか?」
『えぇ、万事順調よ
私は、もう少しやる事があるの
あなたは、このバックを持って先に日本に行っておいて』
侍女「なりません!
私が今、消えたらお嬢様が怪しまれます
少し時間を置いてから」
『いいえ、日本に行くのよ
ここにいたら、危険だもの
それに、あなたにはこれをシトロン様に渡して欲しいの、手紙も入れてあるから、必ず渡してちょうだい
そして言うのよ、これさえあれば
必ず、王になれると』
侍女「中に、なにが」
『知らないほうがいいわ
万が一、捕まって拷問にでもあった時に
知らないと心から言える必要があるもの
それほど、大切な物なの
信頼している友であるあなたにこそ、この役目を任せたいのよ
お願い』
侍女「命をかけて、届けると誓います
あの、お嬢様…一つお願いがあります」
『なにかしら?』
侍女「私は、生まれた時からこの家に使える運命でした
そのため、名前もなくただ " エルマーナスの使用人 "
として生きてきました
日本に行ったら、お嬢様はザフラに戻る気はないのでしょう?」
『気付いていたのね』
侍女「勿論です、友ですから
…お願いです、私に名前を付けてください」
『そうね…フレーナなんて、どうかしら』
侍女「童話の姫の名前とは、いささか私には」
『いえ、ぴったりよ
貴方ほど素敵な人は、他にいないもの』
侍女「…フレーナ
私、フレーナは本日を持ちまして
“ エルマーナスの使用人 " を辞めさせて頂きます」
『ふふっ、これで正式に私の友ね
身分の差なんて、初めからいらないのよ』
侍女「やはりお嬢様は、この国の月にぴったりだと思いますよ」
『いいえ、太陽が私を拒むのなら
それは永遠に、夢のまた夢よ』
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シトロン(プロフ) - 藤李さん» コメントありがとうございます!読んでもらえて、とってもうれしいです^_^ (2020年3月28日 17時) (レス) id: 99f8d835d1 (このIDを非表示/違反報告)
藤李 - とっても面白かったです!続きが出るの楽しみにしてます! (2020年3月28日 10時) (レス) id: b71c5bc041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シトロン | 作成日時:2020年3月2日 13時