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侍女「ご指示通りに、睡眠薬を紅茶に混ぜました
朝まで、起きないはずです」
『ありがとう、行ってくるわね』
私は、侍女に頼み父の紅茶に睡眠薬を混ぜた
父の書斎で探し物をする間、前回のように
父と遭遇するリスクは避けたいからだ
『やっぱり、そう簡単に証拠は残さないか
でも、父は必ず後々のために保険を残すはず
記録か、それか写真か…』
冷静に、落ち着いて
父ならどこに隠す、父なら何を残す
用心深い人だ、金庫や絵の裏なんかの
定番どころは避けるはず
もっと、意外性のあって足のつかない
『政治の本、経済の本…童話？
昔、読んでもらった記憶はないけれど
〜泳ぐトラ、飛ぶトラ〜
どんな話だったかしら』
私は、パラパラとその本をめくった
『たしか、人気者の空飛ぶトラと
羽はないけど泳げるトラがいて
何でも持ってるトラに、自分の能力まで取られたらと怯える泳ぐトラが
自分の住処の湖の中に、泳ぐ力の果実を隠す話で…
湖に隠す？』
そうだ、噴水！！
この屋敷の噴水は、父がかなりこだわって建てた物だ
装飾が細かく、宝石まであしらわれている
急いで本を戻して、噴水に向かおうとすると
何かが落ちる音がした
ランプを近づけてみると、カギが落ちていた
わざわざ、こんな本に隠すなら
必ず何かに使うはずだ
鍵を拾い、噴水に向かって走った
くまなく探すと、一つだけ、色の違う宝石があった
その宝石を触ると、簡単に外れて鍵穴が現れた
『持ってきておいて、正解ね』
私は、中にあったものを取り出して
鍵を本の中に戻しに行った
収穫は、想像以上に良い物だった
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シトロン(プロフ) - 藤李さん» コメントありがとうございます！読んでもらえて、とってもうれしいです^_^ (2020年3月28日 17時) (
レス) id: 99f8d835d1 (このIDを非表示/違反報告)
藤李 - とっても面白かったです！続きが出るの楽しみにしてます！ (2020年3月28日 10時) (レス) id: b71c5bc041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シトロン | 作成日時：2020年3月2日 13時
