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「 どうするもなにも何も無いですよ
ただ、どんな関係なのかと興味があるだけです 」
少し呑んでる時に彼から聞いた岩本の事
起業家
日本ではなくアメリカの方で、と。
顔付きはアジア寄りなのに体付きは何ともまあ
そこら辺に無い綺麗な石な程筋肉がある
少し着痩せしていて筋肉が沢山あるような男に見えないが
ふとした瞬間に見える腕の血管で察せる
「 普通の友達です 」
「 普通ですか、普通ってなんですか 」
「 は？ 」
「 普通って、なんなんでしょうか
貴方が思う普通と呼べる関係であるのでしょうか
僕が思う普通と呼べる関係とは一味違う気がしますが 」
ズカズカと俺の目の前に冷静に言い放ちながら寄ってくる
岩本
身長差もあり、強面な顔付き、夜中ということもあり
正直恐怖心はいつもよりも倍以上感じている
そんなに何が知りたい
俺達の、何を知りたい。
「 あっ … 」
岩本の顔が目と鼻の先に来た時
ポケットに入っていた携帯がブルブルと震え出した
:
“ 向井康二からの着信 “
:
その文字が浮かんでいた
「 す、すみません、もう帰ります、では 」
「 ……… 」
岩本の横を通り過ぎ、俺はすかさず電話に出て
肩越しに振り返る
ただ前を向いているだけの岩本
俺にとっては、猛毒だ。
「 はい、もしもし 」
「 あ、しょたくん？ごめんな、こんな夜中に 」
「 平気、何 」
「 明日俺有給貰ったんよ！やからその、そのな！
一緒にご飯食べに行ければなぁ … って！あ、やましい事はせえへん！ 」
まだ解かれてない恐怖心
だけど、心が平常心を保とうとはしているのは感じる
この声が、凄い好きだった。
それだけが俺の心に染み付いてしまっている
「 … 1時間だけなら 」
「 ほんま！？ありがとう！！集合場所はえっと … 」
「 コンビニの前、13:00、よろしく 」
無愛想に冷たく電話を切った俺
携帯を握りしめてアパートを見上げる
引っ越せば良かった。
なんて思うのももう遅い。
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作者名：渚 | 作成日時：2022年4月29日 21時
