おかえり。 (ページ3)

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「 … あんまっ、流石に甘過ぎ」

監視モニターの前に座って、廃棄のパンを食べるが

マシュマロにチョコと言った、今頃のJKが好むものを詰め込んだ組み合わせのパンは

どうやら今年で三十路の俺にはキツかった。

直ぐにゴミ箱に捨てて、前のめりになれば監視カメラに移る客を観察する

今日はどんな奴が来るのか、どんなクレームを入れるのか

働き始めた時は理不尽なクレームに毎度イラついてたけど

今となればなんて事ない

わざわざ入れてくるやつなんて、ブスかデブか、それかそれを組み合わせた奴ばっか。

「あ、来てる」

入店音がなり、入口の方を見るといつも見る姿があった

黒髪でスーツを着ていて、いつも時計を気にしながら

パンコーナーに行きメロンパンを取る

そして ____

「いらっしゃいませ」

「おはようございます、いつものブ「ブレンドのSっすね、ありがとうございます」

「あ、いえ！じゃあ … 430円ですね、レシートは大丈夫です、ありがとうございます」

「ありがとうございました」

ドバドバ砂糖入れる癖に頼むブレンドのS

じっとコーヒーを入れる姿がどうにも目を離せない程惹かれる

好きとかじゃないと思う、いや好きなのかな。

「 … 渡辺くん？」

「あ、はい」

「休憩まだ五分しか経ってないのに早いね、暇だった？」

「あー … そんなとこっす、今日自分後1時間で上がりなんで、ゴミ出し行ってきます」

「休憩もっと早くすればよかったね、ごめんねありがとう」

好意でやっただけなのに「ごめんね」や「すみません」という人がわからない

有難く受け取ればいいだけなのにな

まぁ別に、いいけど

廃棄が沢山入った袋を両手に持ち、廃棄場に放り込めば扉を閉めて鍵を閉める

相変わらずの臭さに顔をしかめれば、また髪をかきあげた

そろそろ切らなきゃな

と、思うが行きつけの美容院が閉まった為

新しい所に行くなんて無理な俺はポケットに入っていたゴムを手首にかけ

前髪を結びピンで止めて店の中へと戻った

あー、だる。

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