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それから数日後
毎日ブレンドSサイズとメロンパンを買う男性に
何となくまだ惹かれていた
いつもなら変わらない姿と光景に
“ つまんない男 “
とまで思うはずの俺がここまで想い続けるとは
好みのタイプだったかな
いや、俺の好みはもっと身長が高くて、ツンデレな人
あの人はきっと違う
「 今日も、ブレンドSサイズお願いします 」
「 ……… 」
また来た
今日は生憎メロンパンが売り切れだったからクリームパンになっていた
先にスキャンして相手の目を見つめる俺に
「 あれ、えーっと … ブレンドのS … 」
少し困惑した表情を浮かべる相手に
微笑んで、俺は告げた
「 いつも、ありがとうございます 」
と。
勿論相手は驚きの表情をしていて固まっていた
いくら常連といっても、流石に行き過ぎたか。
「 … すみません 」
と言いながら袋にパンを詰めてカップを渡すと
偶然か必然か、手が重なり
「 いつも丁寧な接客してくれて、ありがとうございます 」
なんて、性別関係なくドキッとする様な満面の笑みで
言ってくれた。
俺は不意にも恥ずかしくなって直ぐにお会計を済まさせ
この場から離させようとしたが、相手は
ニヤッと笑ってゆっくりと歩いてコンビニから出ていく
男が好きだなんて奴は
そういう人が集まる場所には多くいるが
一般的に紛れ込んでるなんて事は少なかった
というか、無かった。
小学生
中学生
高校生
大学生
今現在
漫画や小説みたいに
“ 先輩、俺先輩が好きみたいです “
なんてセリフは聞いたことも無く
身体を触られて
“ ちょっとやらせろよ “
なんて言ってくるチャラ男もいなければ
“ 先生が教えてやろうか “
と言ってくる教師もいない
今まで生きてきた中でこんなにも
一般
の中に男が好きな男なんて見たこと無かった
いや、きっとあれは偶然だろう。
すぐに飲みたいって人もいる
今日はそうだったのかもしれない
「 … 変なの 」
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作者名：渚 | 作成日時：2022年4月29日 21時
