涙の中 ページ18
目が覚めた。
ここは。
『どこ』
真っ白がずっと永遠と続く
何故なのか
体がふわふわしている。
『もしかして』
死んだのかな。
見る限り、
体は透けているようには見えない。
下を見ても
私の死んでいる姿は見えない。
なんでこんなところにいるんだろう。
まあいいや。
散歩をしていく中で
こんな声が聞こえる。
「姉様ｯｯｯ!!」
レイア。
「死なないで…っ」
兄さん。
「嫌だｯｯｯ!!Aｯｯｯ!!」
ペ神。
「A、様…？」
ウィリアム。
この人たちの声が聞こえた。
でも下を見ても
何も見えない。
次に聞こえてきたのは
ピーー
という機械の音だけ。
私死んだんだ。
そう確信した。
そのうちに
濁点の入るような
そんな泣き声が聞こえる。
でもどこかで疑問があった。
私、本当に死んだのかな。
確かに機械の音は耳に入る。
だけど体は透けておらず、
下の様子は見えない。
なんとなくだが
泣いているであろう
4人に声をかければ
かけられる気がした。
「ど、してｯｯｯ……ッ行っちゃうん…、だよ…」
レイアの悔いの残るような声も
「ぁ"あ"、ぁ"ぁ"あ"ぁ"ｯｯｯ……」
兄さんの泣き声も
「死ぬ時はっ……、そばにｯｯ…いてやりｯｯｯ……たかった…っ……」
ペ神のその願望の声も
「可笑しい……ッ…可笑しいッ」
ウィリアムの否定するような声も
全て消せる予感がしてた。
でもなんでだろう。
自分にはできなかった。
これじゃ"昔"の私だ。
『…じゃあねッ』
そっと遠く消えた
涙の中に
いつかのあの景色を
見たくて。
『全部嘘だってわかってよっ』
痛い
痛くて
もう歩けない。
"僕"を。
＿＿
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葵羽/きう(プロフ) - ぽんさん» ご報告ありがとうございます。今後このようがないように気をつけます。 (2021年3月20日 23時) (
レス) id: a2bb5f4728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵羽/きう | 作成日時：2021年3月20日 23時
