きっと僕達『運命』なんです。【ジェイド】後篇 (ページ3)

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「ねえ、フロイド」

「なぁに、ジェイド？」

錬金術の授業で
僕は偶然、フロイドとペアになることができた

合同授業が多いものの
被る回数は少ない

あれから全く

クロシェットさんの事も、「イリューの国」の事も
ゆっくり話すことが出来ないままだった

ああ、いや
思い出話は話すことが出来たが

肝心の「イリューの国」への行き方を話していない、
に訂正しておこう

「フロイドは本当に「イリューの国」に行きたいと願いますか……？」

「おもしれーから、行けるなら行きたいけどぉ
　無理なんでしょー？」

「えぇ、アズールに言われましたね」

あれから、全然諦めない僕に
数時間、「イリューの国」には行けない事を言われました

まあ、それでも諦めないのが僕なんですけどね

「あはっ、ジェイド悪い顔してる〜！」

「いい笑顔と言ってくださいよ、フロイド」

　『お前は正気か………！僕達には無理だと言っているだろう！』

　『……小さな希望でも諦めない、そう教えてくれたのは貴方でしょう』

　『今回は例外です！小さな希望もありはしない……！
　僕達には無理な話なんです……！！』

あの日

アズールの部屋で、フロイドを自室に返して言われた言葉

予想していたことだから特に何も思わないが
いつものアズールらしくなくて、

少し不快に思えました

　『僕は諦めません。絶対、僕はクロシェットさんの住む国へ行くんです』

　『行ってどうするんですか？』

この質問には苦労した

ただ会いたい
常にそう考えていて

肝心の理由は思い浮かばない

これではアズールの思う壺ですね

なにか言わなければ………

　『………理由なんてないのなら……』

　『はい、理由はありません
　ですが会わなくていい理由もありません』

　『ジェイド………！』

　『僕はたった今、彼女の元で生きたいと思うようになりました
　これが陸で言う恋なのか、なんなのかはどうでもいい

　ただ彼女に、楽しかったと
　そして巻き込んだことを謝りたいんです………！』

きっとそれは
僕の本当に思う「会いたい理由」ではない

理由は、それはそれは単純で
「一目惚れしたから」「共通点があったから」「入れ替わったことが運命だから」
とか

でもなぜか、僕の口から出てきた言葉は
きちんとした理由で

自分でも正直驚いてしまった

　『貴方、変わりましたね』

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