きっと僕達『運命』なんです。【ジェイド】後篇 (ページ2)

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「長期外出許可をください」

この町に皇女がいなくなる

他の町にとってはどうってことない問題も
この町では大問題へとつながる

だからちゃんと許可を取らなければならない

「いいが……なぜだ…？」

「一人旅に行こうと思いまして」

色々説明をし

「いろんな人から狙われ、命をなくしてしまうこともあるが」
なんて言われる

その心配はない

私に「本当の皇女」の魔力は一切ない
森の精霊の魔力はあるが、それは普通の人間には感知されない

同じ種族同士でなければ理解できないのだ

私はお父様の言葉に、「私は剣術も習っております」と一言だけ

それを言えばこの場を去る

「…………綺麗、」

大切な物を取りに行こうと、この城にある自分の部屋に足を踏み入れる

そこに広がっていた世界は
魂が入れ替わる前の、質素な部屋はなく

どれも、自分の好きな物ばかりで
目を奪われる景色だった

「もしかして、これって……」

ジェイドさんが、綺麗にしてくれた……？

なんて思い、嬉しく思えた

この部屋から離れなければいけないなんて
本当に悲しいこと

「いや、これは恩返しなんだよ
　こうまでしてくれたジェイドさんに、返さなくちゃ」

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