きっと僕達『運命』なんです。【ジェイド】後篇 (ページ1)

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オクタヴィネル寮、談話室にて

「アズールとフロイドも「イリューの国」を知っているんですか……？」

「僕はクロシェットさんが来る前から
　フロイドは授業をサボって知らなかったようで」

「授業……？」

「えぇ、ジェイドのクラスはまだだったみたいですね
　最近したんですよ、「イリューの国」の歴史について」

ここで、同じクラスのリドルさんに確認を、と連絡してみるも
リドルさんも知らない、まだ習っていない様子だった

クロシェットさんと入れ替わるのがもう少し遅れていれば
今回の事件も簡単に終わらすことが出来たのではないか

なんて考えてみるが、過ぎたことを考えるのは僕らしくもなく
この件は考えないことに

「ねーねー、「イリューの国」ってどんなとこだったのぉ？」

「綺麗なお城に美味しい食べ物が沢山ありました
　住民の方々もお優しく、住んでて心地よかったですよ」

「へー、なんかいーねぇ、オレも行きたーい」

「そうですね、今度一緒に行ってみましょうか」

なんて

行き方もなにも分からないが
確かに行けることだけを確信し、約束するように言葉を紡ぐ

すると

そんな会話に棘を刺すように
アズールが僕達を見つめる

次に出たアズールの声は冷たく
この場を静まらせるには丁度いいものだった

「「イリューの国」に行くのは限られた人にしか行けない
　僕達が行ける確率は極めて低いんですよ」

「………限られた人、とは……？」

「特定の印がつけられた魔力を大量に持っている人のみ、
　「イリューの国」へ行く扉が開け、行くことができるのです」

そう言ってアズールは僕達に「絶対に不可能だ」という事実を言い続けた

そんなに酷い事言います……？
なんて思いましたが

これもきっと僕の事を思って言ってくれたのでしょう

でも僕は
クロシェットさんに会いたい

きっとクロシェットさんの魂と入れ替わったのは
『運命』なんでしょうから

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