きっと僕達『偶然』なんです。【ジェイド】前篇 (ページ28)

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(もしかして私のことが……？)

なんて、恐る恐る後ろを見れば
そこには沈没船があって、安心した

『すっげーでけぇじゃん！』

『えぇ、行きましょう』

フロイドさんは先に沈没船に向かうと
嬉しいというように声を上げた

ジェイドさんも、それに続いて泳いでいく

『………貴方に会いたい』

「え………？」

今、たしかに私に言った

ジェイドさんは私の目をじっと見つめ
そういったのだ

見間違い
聞き間違いなんて絶対ない

「どういうこと…………？」

「………あれ？」

目が覚めた

両隣には
フロイドさんとアズールさんが気持ちよく眠っている

…………あの夢は、何を伝えたかったのだろうか

「……動けない」

とにかく、ここから起き上がろうとしたら

二人から抱きしめられ、拘束されているのを思い出し
動けずにいた

二人は早起きな方だって聞いたんだけれど
全然そういう事なくて………

「ジェイドさんとフロイドさんは、人魚だったんだ……」

知らなかった事実で
少し驚いている自分と

綺麗で、魅入ってしまった自分がいた

もう一度みたい、だなんて思ったけれど

なんで知っているのかと聞かれそうだから
またの機会にと、諦めるしかなかった

「………ん、もう起きていたんですか」

「おはようございます、アズールさん」

「えぇ…………」

アズールさんは手を離してくれて、
少し楽になったが………

問題はフロイドさんだった

とても強く抱きしめてくれていた

「フロイドは、まだ寝ると思いますので……」

「えぇ！？私起きれないじゃないですか………」

「いいんじゃないですか？たまには
　今日は僕におまかせください」

アズールさんは、こんな私でも優しくしてくれた

………今日は、甘えようかな

いや、いつも甘えているか

「フロイドさんが起きたら、私も手伝います」

「今日は長いですから、大丈夫ですのに……」

今日は休日

ゆっくりする日だけれど
今の私は、そのゆっくりは

アズールさんやフロイドさんの
手伝いをすることで満たされる

「私が、アズールさんと一緒に作業したいんです！」

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