きっと僕達『偶然』なんです。【ジェイド】前篇 (ページ19)

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🌸 ページ19

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「………温かい」

「それはよかったです」

だけれど、２人の体と
自分の体に慣れれば意外といけるものだ

シャンプーとコンディショナーはとてもいい匂いだし

湯は熱くもなくぬるくもなく
体の疲れが取れるようなぬくもりがあった

これも新しい体験で

今の私は胸が踊る状況であった

「ねぇねぇいわしちゃん！
　オレいわしちゃんと入れてうれし〜！」

「はい、私も嬉しいです」

見た目はジェイドさんと変わりない

２人にとってはいつもと変わらない人物のはずなのに
私を私として扱ってくれた

すごいな、と思わしてくれる

暖かいなと感じる

「……アズールさんとフロイドさんは
　なぜ中身が違う、いつもと違う友達を歓迎してくださるのですか？」

「それ聞いちゃいます？
　答えは一つです。貴方も今、驚き、親に会えない寂しさでいっぱいでしょうから
　同情から来る慈悲ですよ」

「オレはただただおもしろそーなだけぇ！
　他の町の人間ってどんなんだろ〜なって！」

「……お二人は、とても優しいですね」

２人の優しさに、涙が溢れそうだ

胸に今、この瞬間を刻み
私は笑う

「私はお二人の事、大好きになりました！」

最初は

いきなり、いつもと違う景色だったから
不安や驚きで胸がいっぱいだったが

アズールさんやフロイドさんの寄り添いのお陰で、
２人のぬくもりで

そんなの、今はどうってことない

「ふふ、たまには、そう言われるのも悪くないですねぇ」

「ねー！」

私が笑っては

アズールさんもフロイドさんも幸せそうに笑ってくれた

「クロシェットさん、髪乾かしますからじっとしててください」

「はいっ！お願いします…！」

「アズール、次オレもー！」

「嫌ですよ、自分でしてください」

「ケチー！」

お風呂から出て、
今はアズールさんに髪を乾かしてもらっています

本当は魔法でどうにかできるそうですが
アズールさんが「魔法を見るのは、貴方にとっては怖いでしょう」と

ドライヤーで乾かしてもらっている

フロイドさんは自分でやるのが面倒なのか
また駄々をこねている……

「もうひとつドライヤーがあるのなら、私がフロイドさんの髪を
　乾かしましょうか？」

「え、いいの！？やってやって〜〜！」

フロイドさんはドライヤーを持って、私の元に来た

そして、丁寧に、優しく
私はフロイドさんの髪を乾かしていく

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