きっと僕達『偶然』なんです。【ジェイド】前篇 (ページ11)

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「ここは、入学した時に寮分けするとこ
　ここは授業するとこ……それから……」

「あ、あのっ……」

「……なぁに？」

この体の…ジェイドさんの片割れで双子のフロイドさんに

この学園を案内してくれるそうで、楽しいのは楽しいのだが………

フロイドさんは私を置いて先に行く

私にとってジェイドさんの体は、とても高い

歩こうとすると、慣れていなくて
フラフラしてしまう

まるで生まれたての子鹿のようだ

「は、早いです……もうちょっと遅く……」

「えー、オレジェイドと身長、まあまあ一緒だよ？
　な〜んでそんな遅いわけ」

「私自身が慣れていないからですよ……！」

「意味わかんねーー」

フロイドさんは嫌そうな顔を、
そっぽを向いて、浮かべる

……そうだよね

片割れで、双子の
大切な人が、体は目の前にあるのに、魂は全く違うのって

悲しいなって、寂しいなって

私のこと、嫌いになるよね

ああ、ダメだ

目立ったことはしちゃだめ

早く……ジェイドさんにならないと………

「……そんなこと、一言も言ってねーじゃん」

「………へ？」

「全部聞こえたぁ、確かに、ジェイドがいないのはちょっとは寂しいと思うよ？」

「すみません……」

「だけどー、それはいわしちゃんもじゃん？どっちもどっちでしょ」

その言葉に、少しだけ救われた気がした

フロイドさんは、私が勘違いしていると
間違いを指摘してくれた

ああ、こんな暖かさ、

初めてだなぁ………

「ヒグッ……」

「え、なんで泣いてんの…？オレなんかした…？」

「いえ、嬉しくて……」

「そ、そーなの？陸の人間って嬉しくても泣くんだ……」

フロイドさんは、そう言って
私を心配してくれた……ような気がする

その反応が可愛らしくて、つい笑ってしまった

「……フロイド、続き、お願いします」

「！！はーい！」

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