第一話 主様.side ページ2
今日も辛い出来事があった。姉から理不尽に怒られたり、暴力を振るわれたり。
でも親は姉の味方だから、私を庇ってなんてくれない。
そんな暗い感情に押しつぶされる前に、”彼ら”の元へ向かう。
指輪をはめ、目を開けると
ベリアン「おかえりなさい、主様。帰って来るのを、お待ちしておりました。」
ラムリ「主様〜！！今日もお話、聞かせてください！」
ロノ「おかえりなさいっス！今ちょうど、料理が完成したところなんで、食べてってくださいよ！」
そう、悪魔執事の皆がいる。
私を励ましてくれて、慰めてくれる、そんな優しい人たち。
主「ありがとう、ロノの料理、大好きだから、嬉しいよ。ラムリ、後でいっぱい話そうね。」
そうやって笑顔を振りまいて皆と接する。
死と隣り合わせの戦いを繰り広げている彼らだからこそ、少しでも笑顔で居て欲しいから。
自室を出ようとドアに手をかけようとしたその瞬間、大きな音で、警報が鳴った。
―――天使が来たんだ。
皆、慌てて武器を持ってきて、戦闘準備を終える。
ハウレス「主様は、俺の後ろにいてください。絶対、何があっても、俺から離れないでください。」
主「うっ、うん！」
怖くて震える手をぎゅっと握りながら、ハウレスの後ろを追う。
デビルズパルスの敷地から、そう遠くない所に天使がいた。
―――それも、他の天使とは違う。
ハウレス「知能天使！？しかも、2人…」
ベリアン「これはまずいですね…主様、急いで悪魔の力の開放をお願いいたします！」
主「うん！わかっ…あっ！」
手に持っていた本を、セラフィムに奪われてしまった。
セラフィム「ふーん…これが悪魔執事たちの力を開放するための物か…面白そうだ。」
ハウレス「ッ！！主様から離れろ！！」
セラフィム「力を解放できないのに、どうやって戦うつもり？」
おちょくりながらも、他の執事たちからの攻撃をかわしている。
武器が当たっても、傷一つ付ける事さえできない。
…私はなんて無力なんだ。
立ち尽くしていると、後ろにもう一人の知能天使、ケルビムがいることに気付かなかった。
ケルビム「…遺体ぐらいは残しといてやるか。」
ハウレス「主様ッ！！！！」
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作者名：夢野みぃ | 作成日時：2023年12月10日 14時
