好きです、先輩。【ＳＳ】 (ページ1)

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好き～１～ページ1

桜の花弁が髪に落ちる。

明るい茶髪だからか、なんだか綺麗に見えて。

「あ、やべっ。すげぇ恥ずかしい」

そう言って笑った貴方が、眩しくて。

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その人は、櫻井翔という。
私の一個上の先輩で、かなりの優等生らしい。

そんな人に恋をした、馬鹿な私。

「ま～た見てんのかよ？」

後ろの席から揶揄うように声をかけてくる男子。

『ちょっと。邪魔！』
「邪魔ってなんだよ。話しかけただけだろ」
『わざと見えないようにしてるでしょ！』

潤くん･･･もとい、松本潤はケラケラと笑った。

櫻井先輩に負けないくらいのイケメンで、優等生。
そんな彼がどうして私と仲良くするのかは分からないけど、少なくとも
女として見られてないことははっきりと分かる。

潤くんには彼女がいるから。

『もー････本当に邪魔しないで！週に一回しか見れないんだから！』
「いやいや、あの人割と一年の教室の前通ってんじゃん。そん時にも見れるだろ」
『･･････近いから見れない』
「乙女かよ！」
『乙女ですけど？』

馬鹿にしたように笑う潤くんを無視し、グラウンドに視線を戻す。
やっぱり何度見てもかっこいいなぁ、先輩。

体育は少し苦手なのか、動きがぎこちない。
でもそれさえも愛おしいと思えるのは重症なのか。

････先輩ってめちゃくちゃモテるし、深入りしないほうがいいのは分かってるけれど。
それでもかれこれ四か月は想いを寄せている。

「そんなに片想い続けてさー、なんかあんの？」
『なんかって何よ？』
「先輩の彼女になれるわけでもあるまいし」
『････いいの、別に』

そんなこと分かり切ってる。
別に彼女になりたいとか、そんな図々しいことは断じて願わない。

だって。

「あ。例の明里さんだ」
『っ･･････』

可愛い笑顔で駆け寄る女の子。
それを眩しほどの笑みで迎える櫻井先輩。

あの人には、好きな人がいるから。