蒼玉郷〜時止めの怪〜

清香視点 ページ15

ss side

私が放った弾を彼女は蝶のように避けていく。どれだけ弾の量を増やしても、全て避けていくから弾を放つ此方も楽しくて仕方がない。

「＜千紫万紅の花園(せんしばんこうのはなぞの)＞」

このスキルノーツで最後!!
絶対に捕まえて見せるわ‼

彼女はというと、40秒間の耐久スキルノーツに
少し面倒くさそうで、弱音を吐いていそうな顔である｡
しかし、かなり余裕そうな顔もしているのは本人も気づいていないらしい。

『(いや長いんだよな〜)』
「そんな弱音を吐いている顔してるけれど、余裕そうじゃない♪」
『げ、バレた』
弱音のところは自覚してるのね、って!
「げってなによ！げって!」
『wwwwwwww』
私は今お餅のように頬をプクゥっと膨らませているのだろう。彼女はいたずらっ子のように笑った。
「それに貴女の顔に書いてあるわよ」
『え、嘘〜』
彼女は自分が顔に出やすいことを自覚していないようだ。
「さて、お喋りは此処までにしましょうか」
そう言って私は、弾の量を増やし、弾の密度を大きくさせる。
…あと20秒!

『いやいや、もっとお喋りしましょうよ〜』
「時間稼ぎしたいのがバレバレよ!」

彼女が段々と焦り始めている。流石にこの量の弾だとキツいらしい。

(今なら捕まえれるチャンス！)
『……ちょっとマズイかも』
『蔓札(つるふ)＜蔓の六芒星結界(つるのろくぼうせいけっかい)＞』

弾を一気に消された。だが………
これが本当に最後(・・)のスキルノーツなのだからそう簡単に切り抜けられてたまるもんですか！
すぐに弾は元の密度に戻り、彼女は少し驚いている…………が
すぐに何かを確信した表情に変わる。
恐らく彼女も気づいたのだろう、これが本当に最後なんだと。
「残り5秒?!」
「そんな！」
私は夢中で気づかなかったのだ｡
残り時間がわずかであることに…

『これで終わりだ!』
『蔓札(つるふ)＜蔓の六芒星結界(つるのろくぼうせいけっかい)＞』

「っ‼」

私は避けきれずにそのまま当たった…


※文字数…

第2回戦 結果は〜→←続きだよ〜2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す