【文スト】芥川さん、私… 3

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一葉と芥川さんが話す声が聞こえる





樋口「芥川先輩！次の任務の後一緒に洋菓子を食べに行きませんか！？」





「いかん」





樋口「芥川先輩の好きな無花果のタルトが美味しいところですよ」





「……」





樋口「ほら！日頃から頑張っていらんですから偶には良いじゃないですか」






「…分かった」






行くんだ…そう思った





私が誘っても行かなそうだけど





『…』




「樋口、この前樋口が僕に出したあの茶は何処のものだ？」




樋口「あぁー！あれはですね、〇〇のお茶ですよ！」





「そうか」






樋口「お口に合いましたか？」






「あぁ、美味かった。また任務帰りよってくれ」





樋口「はい！勿論」





…





…







幸せそうだな






私の心はキュッと苦しくなった






中也さんにはああ言ったものの






本当は私が芥川さんを幸せにしたいと心のどこかでまだそう思ってしまっている私がいるから







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『…ん』






目を覚ますと日は完全にくれ






部屋は静まり帰っていた





…





…







『…』






目が覚めていちばんに芥川さんを見たかったな






なんて気持ち悪いこと考えた





…






なんだか寂しくなって






バーに向かうことにしたんだ





いつものように扉を開けるとマスターがいて





太宰「待っていたよ。君を」





太宰さんがいる





太宰「こっちおいで」





呼ばれるまま太宰さんの隣に腰をかける






太宰「随分と悲しそうな顔をしているね」






『…表情変わってます？』






太宰「あぁ、変わっているさ。少なくとも私から見る君は表情豊かさ」





『…そうですか』






太宰「君が生きていてよかった」






太宰「君とまたこうして酒を交わすことができてよかったよ」






『私が生きて喜んでくれる人がいるなんて思ってもいませんでしたよ』






太宰「あぁ、この前のペンダント返そうと思って」






『…返さなくて良いです。持っていて欲しい貴方に』






太宰「理由を聞いても良いかい？」





『私はもう、織田作さんが好きだった私じゃいられないから』






『あの頃から私は変わり過ぎてしまったから』





『なんだかその写真を見るたび、私じゃない誰かが写っているように見えるんです』






太宰「…そうかい」






太宰「それは、私も同じだけどね」






太宰「君が望むなら私が持っておくよ」






『…』






太宰「どうだい？辛さはマシになったかい？」






『えぇ、お陰様で』





そこからの沈黙




私はこの時間が好きだ

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