【文スト】芥川の妹は。。4

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薬を…嫌、毒を飲んで数分が経った



身体はズキズキと痛い



視界はうねうねとしている




声を出そうと思ったが




喉が焼けているようで掠れた声しか出ない





十一歳…その年になるまでに付けた毒の耐性は





毒を飲まなくなってはや数年、耐性は弱くなってしまっていたようだ





持病の悪化





毒耐性の弱体





定期的な感情の現れ




なんだ…全然強くなったないじゃないか




むしろ弱くなってる




そりゃぁ…お兄さんも認めてくれない訳だ




これに今まで気づかなかった私は大馬鹿だ




頭も悪いのか




『…前…みたいに』




『前の…私に…もどら…ないと…』




そうだ。




感情なんて要らない





苦しいだけだから





でも、地位が上がる度





私を尊敬する人が増えて





私に優しくしてくれる人が増えた





その過程で感情を思い出してしまった





邪魔だ…二度と現れないで





よくよく考えると、苦しいと感じるのも感情だ




もう何も要らない





私は無だ





ただ、傀儡師の操作のままに踊れば良い





朝が来て夜が来る




夜が来て朝が来る





そんな生活もやがて終わりを迎える




その日はそう遠くないと思う




でも、怖いと感じない





だって私は無だから





感情なんて知らない





それは私が生まれた…





否、私が製造された時から





でもそれが幸せなんだ





だって、人間は





大切な人が死ぬ度に悲しみ苦しむ





いつか来る自分の終わりに怯えて息をする





周りからの暴言暴力の辛さを感じる





でも、人形は感じない





たまたま、私という人形は思考を備え製造されただけ




開発者のお遊びだ





より良い製品開発のために





『私は人形だ。怖さも辛さも痛さも感じない』





『4年前からアップデートされていた機能を全てまだ通りにする』





『全部、まっさらなデータに戻す』






『そうすれば、感情なんて忘れられる筈だ』





そうしないと、私はこの苦しさに勝てない






寝てしまおう





次、起こされる時まで





でも次起きた時には





ポートマフィアに入った頃の私





まっさらな私になってるの






『サヨナラワタシ…』





もう少し、皆んなに愛された私でいたかった

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