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絵本から視線をあげ空を見上げる
どんよりとした思い雲
その下では孤児院の子供が駆け回ってる
〈Aちゃん、今日もお外で遊ばないの？〉
『遊ばない』
〈どうして？〉
『嫌だから』
〈何かあった？〉
『……言いたくない』
言いたくなかった
鬼ごっこに参加してもボール遊びに参加しても
上手にできない私は一人外される
広場で一人ポツンと取り残される
もう一度入る勇気なんてない
だから
結果、一人なるなら初めからこうして一人静かに過ごす方がいい
なんてこと弱気な私は恥ずかしくて惨めで言えるはずがなかった
だからこうしていつものように本を読む
そんな変わり映えのない日常のはずだった
一組の夫婦がきた
ここは孤児院で養子を迎え入れようと訪れる人も少なからずいる
でも私には関係ない
誰もこんな陰気臭い子なんて選ばない
チラリと本越しに見た夫婦
綺麗に巻かれた長い黒髪に整った顔。
綺麗なマーメイドワンピースを着こなした夫人に
ピシッとスーツを着こなしたこれもまた顔の整った高身長な男性
私でもわかる
きっとこの夫婦は富裕層の暮らしの人
なら、尚更私になんて関係なかった
外に行って元気な子供を探すのだろう
そう思ってまた本に視線を向けた
〈Aちゃん〉
先生に名前を呼ばれ前も向くと驚くことには先程の夫婦が
〈初めまして〉
鈴のような綺麗な声
『…はじめまして』
〈今日から君は私達の娘さ〉
『…？？』
聞き間違いだと思った
〈今日からAちゃんはこの人たちの養子になるのよ〉
なんていう先生の言葉で聞き間違いでは無く事実だトイレ事を知らされた
『…どうして私なの？』
『外には私よりもいい子が沢山いる』
〈私達はねAちゃんが良いのよ〉
〈あぁ、治には静かな子の方がきっと相性が良いからな〉
『治…？？』
〈えぇ、私たちの息子よ〉
〈今日からAちゃんのお兄ちゃんになるの〉
〈少し変わった子だが、よろしくしてやってくれ〉
『…うん』
〈そろそろ時間ね、行きましょうか〉
ぎゅっと手を握られた
暖かいて
〈幸せにね、Aちゃん〉
先生が手を振る
小さく私も手を振り返した
黒い綺麗な車に乗り込む
始まるんだ
今までとは全く違う生活が
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夢幻泡影（むーにー）(プロフ) - 天然石さん» 報告ありがとうございます。何章での誤字か教えて頂けますでしょうか？ (5月3日 0時) (
レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影（むーにー）(プロフ) - 来世は推しと生きたいさん» うれしいです！キャラの口調をどうにか似せようと頑張ってます！ (5月3日 0時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影（むーにー）(プロフ) - 面倒飴さん» ご報告ありがとうございます！福永諭吉って誰やねん！って感じですよね (5月3日 0時) (レス) @page47 id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
面倒飴(プロフ) - 誤字報告失礼します。第八章 武装探偵で「福沢諭吉」が「福永諭吉」となっていました。 (5月2日 1時) (レス) @page49 id: f3ca837efe (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 間違えてますよ森さんじゃなかったですかポートマフィアは (5月1日 17時) (レス) @page49 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢幻泡影（むーにー） | 作成日時：2024年2月25日 0時
