【文スト】召使は一番になれない 其ニ

最終章　召使は一番に… ページ22

『ッ』







嫌な予感がした






体が動いた








自分でも驚くくらい早く







ヘリに駆け寄る







フョードル様をヘリから押し出した






驚いた顔のフョードル様が見えた






私の異能力が発動した






けど






間に合わなかったみたい






だって






…







『ッア”』






鉄のパイプが私のお腹を突き刺しているから







『ッ』








血が溢れ出る






「ッ」







太宰「ッAちゃん！」






中原「おいおい、マジかよ」







ゴーゴリ「A」







『あ”ぁ、ごめん…なさい』







私は最悪だ







これは武装探偵が勝利に近づくための作戦







それを邪魔した






考えたくないけど






本当はここで






フョードル様が






…





…






『ッごめ…さい』







太宰「ッ中也」








中原さんが走ってくる






主人様は解毒剤をガタンと地面に落とし







やはり驚いた顔で止まっている







薄れていく意識の中で






ヘリにが浮いた






中原さんの手は私に届くことなく空を切った







中原「っくそ！」






太宰「やめろ！ヘリをとめろ！！」








そんな声が吸血鬼に届くはずもなく






私を乗せたヘリは建物に衝突し墜落した







気のせいだろうか






最後にフョードル様が私に手を伸ばしていたように見えたのは







少し、悲しそうな顔をしていたのは








あぁ、幻覚だ







フョードル様を守って死ねるなら







それが私の本望だ







『フョードル…ま』






タンクからガソリンが漏れる






だんだんと暑くなる







『貴方を…』







光に包まれた







愛しています






暑くもなんともない






ただ







これが最後なんだって








ありがとう






ごめんなさい







まだ







言いたいことがたくさんあったのに…









…








…








…






…

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