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第七章 別れ ページ13

アジトに一度帰った私は荷物をまとめた





服はここに帰ってくる前に三式買い揃えた





今日まで来ていた服はベッドの上に畳んだ






主人様とお揃いの服





まぁ、私のはワンピースだったのだけど






もう、召使を降りた私にこの服を着る資格もない






驚いたのはキャリーケース一つで荷物が収まってしまったこと






元々、私の部屋には机と椅子それからベッドが一つ






まだもない無機質な部屋で自分で買い揃えたものも何もなかった





服を三式買ったといったが、







一つはクリーム色のハイウェストマーメイドスカートに明るいブラウンのポンチョ。それから白い日傘をかった





二つめは白のオフショルダーワンピースと白いレースのリボンのついた白の麦わら帽子






三つめは水色のカーディガンにしろニットのインナー
  白のロングスカートを買った






白い服じゃないと落ち着かないのはきっと主人様に拾ってもらってから白の服しか着ていないから




服の確認をしてもう一度部屋を見渡す





荷物がなくなったところで見た目は何も変わっていない部屋



『…』





キャリーケースを引いて部屋を出る






まだ主人様は帰っていなくてリビングは静かだ













私がいなくなってから、主人様はしっかりとご飯を食べるのだろうか




洗濯物は?掃除はどうするのだろうか





『ははっ…余計なお世話か』




玄関のドアのぶに手をかけようとした時扉が開いた




『あ…』





「…」









『ッお世話になりました』







そう行って下を向いて横を通り抜けようとした時不意に腕を掴まれた







「…退職金を渡していませんでしたね」





とポンと手に置かれたのは百万円ほどの大金でその後主人様はアジトに入って行ってしまった





ドアが閉まる





それから私はその場に崩れ落ちて泣いてしまった





『ッあ…ッふ』





『ッなんで…っなんで』





どうして。今更優しくするのよ



あぁ、だめだ




やっぱり私は彼が好きでたまらない



涙が止まらない



『ッふ…愛してます。主人様』




私はふらりと立ち上がり一歩踏み出した




振り返ることなく足を進めた




流れる涙を乱暴に拭って




無理やり笑って見せた




ーーーーーーーーーーーー


アジトに戻りドアを開けると荷物をまとめたAさんがいた



解雇したのは僕なのになぜか少し寂しく感じた




ドアの外で彼女の泣く声が聞こえる




静かにそれをドアに持たれながら聞いていた




静かに聞こえた




愛していると





「僕も貴方を……」





それ以上の言葉は出てこなかった

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メイデーア - 幸せになって欲しかったって神かよ、泣けるッ…。ドスト様、夢主ちゃんは幸せだよ。あなたを庇えたんだから。あなたを助けられたんだから。あなたを死なさずに済んだんだから。武装探偵社やポートマフィアには不利益でも、きっとそれは正しかったのだから。 (4月23日 16時) (レス) @page24 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - ありがとうございます!生まれ変わった話…面白そうですね!短編にはなると思いますがまた、落ち着いた頃に書きます!! (3月7日 6時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
メイデーア - 完結おめでとうございます!最後の夢主ちゃんがドスくん庇ったシーンでガチ泣きしました。大変わがままなのですが、その後、ということで、夢主ちゃんが生まれ変わった話を作ってもらえないでしょうか?お願いします! (3月2日 21時) (レス) @page26 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - ありがとうございます!来世は推しと生きたいさんの感想に驚かされてばかりです!語彙力が凄くて…次回作まで期間が空いてしまうとは思いますが完結までまた頑張ります! (2月28日 0時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
来世は推しと生きたい - 完結おめでとうございます!!続編に移行されてからコメントできていなかったので今全部伝えちゃいます。本当主さんが書く夢小説には毎度泣かされてます…。ドスくんの気持ちが薄々現れていく感じとすれ違いが,読んでいて凄いと感じました。次回作も追わせて頂きます! (2月26日 7時) (レス) @page25 id: 34d0d522f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢幻泡影(むーにー) | 作成日時:2024年1月25日 18時

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