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ページ11

『はっ!い”ッ』




『はっはっ』




ダラダラと垂れる朝



 


ジワリと滲む血






医務室や寝室






と言うわけもなく







あのまま意識を失ったままの床







主人様はおらず静かだ






街にでも出たのだろうかと急いで支度しアジトを走りでた








主人様が向かうとすればいつものカフェだろうか






それとも本屋?





賑わう晴れた街を駆け抜けながらその姿を探す






すると見えたいつものあのチャームポイント





ふわふわの帽子に綺麗な黒髪





『ッフョードル様っ!』





ゆっくりとこちらを振り向く





「…」






そのまま数秒立ちどまってこちらに歩いてくる






私も主人様に向かい歩き足を進める







ちょうど距離が1メートルくらいになる







「なぜ、きたのです?」






『ッ護衛無しで街中を歩くなんてッ危険ですよ』







「護衛?貴方が襲ってきたのでしょう?」







『あっ』







『違ッあれはッ』







「何が違うのです」







「正直に言います」








「貴方は近頃、僕のために何をしているのです?」






『それはっ!それはッ』






出てこない






違うすぐに答えられるはずなのに






思い返してみると







任務に失敗した





逃げた






恋人という名で主人様を縛った







異能力の暴走で主人様に危害を加えた






何も出てこない







主人様のために必死になっているのに








主人様を傷つけてしかいない





「出てこないでしょう」






なんて声で思考が止まる






『私はッ……』






『主人様のお役に立てていない』







「解雇です」






『へ』







さらりと言われた言葉








「貴方は不要です。手元に置いておく価値がありません。恋人でもありません」








『なら、殺して…ください』






『私は貴方の情報を持ってる』






違う、本当は死んだ方が楽だから








「僕の何の情報を持っているというのですか」






『名前…それから、アジトの場所』








後はもう出てこなかった







『…私は貴方の年齢も異能力も育ちも好きなものも嫌いなものも何も知らない』








『知らなかった。そのことから目を背けてた』







『…今までありがとうございました』







「…えぇ」






主人様はスタスタと歩いて行ってしまった






私だけ時が止まったみたいに動けずにいた







私の生きる意味は無くなった





『さよなら私』

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メイデーア - 幸せになって欲しかったって神かよ、泣けるッ…。ドスト様、夢主ちゃんは幸せだよ。あなたを庇えたんだから。あなたを助けられたんだから。あなたを死なさずに済んだんだから。武装探偵社やポートマフィアには不利益でも、きっとそれは正しかったのだから。 (4月23日 16時) (レス) @page24 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - ありがとうございます!生まれ変わった話…面白そうですね!短編にはなると思いますがまた、落ち着いた頃に書きます!! (3月7日 6時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
メイデーア - 完結おめでとうございます!最後の夢主ちゃんがドスくん庇ったシーンでガチ泣きしました。大変わがままなのですが、その後、ということで、夢主ちゃんが生まれ変わった話を作ってもらえないでしょうか?お願いします! (3月2日 21時) (レス) @page26 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - ありがとうございます!来世は推しと生きたいさんの感想に驚かされてばかりです!語彙力が凄くて…次回作まで期間が空いてしまうとは思いますが完結までまた頑張ります! (2月28日 0時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
来世は推しと生きたい - 完結おめでとうございます!!続編に移行されてからコメントできていなかったので今全部伝えちゃいます。本当主さんが書く夢小説には毎度泣かされてます…。ドスくんの気持ちが薄々現れていく感じとすれ違いが,読んでいて凄いと感じました。次回作も追わせて頂きます! (2月26日 7時) (レス) @page25 id: 34d0d522f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢幻泡影(むーにー) | 作成日時:2024年1月25日 18時

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