第六章 手紙 ページ40
それからAちゃんが目覚めることなく何週間が過ぎたことだろうか
与謝野先生はAちゃんに点滴を打った
私はなるべくそばにいた
ただ、最近は大きな事件が立て続けに起きてなかなか隣にいることができなかった
だからだ
布団は冷たい
点滴だって地面に垂れているだけで
Aちゃんが居なくなったのは
いつ目覚めたんだい？
いつ…
あまりの驚きにそれ以上進むことができなかった
ずっと眠っていたAちゃんは目覚めた
そして消えた
頭がこんがらがる
ただ、机の上に手紙を見つけたから
私の足は動いた
ゆっくりと手紙に向かって歩いた
太宰「…」
太宰さんへ
と書かれた手紙
それから、龍之介さんへと書かれた手紙
ぺらり
Aちゃんの整った字で綴られた内容はこうだった
ーーーーーーーーーーーーー
太宰さんへ
まず、看病してくれてありがとうございました。
いつ目覚めるかもわからない私をずっと、ずっと…
なのに、次の日には姿を消してしまう私をお許しください。
迷惑かけてばかりの人生でした。
辛く、苦しい、人生でした。
暫く、耐えてみようと、思いました、
でも、私ににはその強さがなかったのです。
ご飯を拒む身体を
嘘をつき続ける心を
私はどうにかして操らなければと
酷い焦燥感に襲われておりました。
悩み、悩みました。
長い眠りの間、ずっと脳内に響いた声
“もう頑張らなくて良い”
私はその言葉に従います。
それが本当に楽になれる道な気がして
探さないで下さい。
私は貴方達の時間を苦労を
気持ちも優しさも
全て無に返すような酷い
ありがとう。さよなら
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
太宰「ックソッ！」
ドンッ！
机を強くたたいた
何度も何度も
ドンッ！ドンッ…
…
…
悔しかった
救えなかった
私が必死に拾い繋ごうとした命は
するりと解けて私の手から溢れていった
太宰「ありがとう、Aちゃん」
ありがとう。
酷いことをした私を許してくれて
ありがとう
私達を嫌いにならないでくれて
それから…
お疲れ様
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夢幻泡影（むーにー）(プロフ) - 猫春#ねこはるさん» 読んでもらえてとっても嬉しいです！舞い上がってますw最初とその後の切り替え凄いですよね、ややこしい事になってしまいすみません…と思いながら優しい太宰さんも怖めな太宰さんも好きなので書いてしまいました (12月24日 21時) (
レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影（むーにー）(プロフ) - 来世は推しと生きたいさん» ありがとうございます！次回作は芥川さんから一度離れてみようかと思い別の人物に手を出してしまいました。毎作品、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます！ (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 取り消します。死ぬほど優しかったです(((今読んでる最中の人 (12月24日 17時) (レス) @page11 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 太宰さんが怖すぎて好きです (12月24日 17時) (レス) @page7 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
来世は推しと生きたい - 完結おめでとうございます！！何度も主様の作品に泣かされました…本当に感動物です。私は芥川推しなのですが，主様の書く原作を保ちながら優しさを少しずつ見せる感じがすごく好きです。あと夢主ちゃんの性格も毎回好きです！次回作も読ませて頂きます！ (12月24日 17時) (レス) @page44 id: 3324b2c332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢幻泡影（むーにー） | 作成日時：2023年10月16日 0時
