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太宰「どうしてそんなことを聞くのだい?」
遺品を綺麗に拭き取り歩き始めたAちゃんに聞く
『…』
様子がおかしい
太宰「聞いているかい?」
太宰「それに、どこに行くんだい?」
グッと腕を掴まれて進む
けど向かう先は横浜の中心から離れて行く
電車に乗って
降りて
海沿いの森の中
太宰「Aちゃん」
名前を呼んでも無視されるばかり
真面目なAちゃんが仕事を放棄することなんてないのに
どうしても様子がおかしくて
それでもAちゃんに手を引っ張られるまま森の中を進む
そしたら、崖にたどり着いた
木々が開け海が見えた
逆光でAちゃんの顔がよく見えない
暫く静かな沈黙が続いた
『さっきの質問の意味…ですか』
その沈黙を破ったのは先程までずっと黙っていたAちゃんだった
『これを太宰さんに任せるか任せないか決めようと思って』
…
…
そう言って私に渡したのは
…
…
『これで私を殺してください』
太宰「ねぇ、その銃どこから出したの?」
自分でも驚くくらい低い声がでた
太宰「これ、私の銃だよね?」
『…』
『太宰さんは人を殺せる』
『罪悪感も感じないのなら簡単なことでしょ?』
『太宰さんなら知ってる』
『ポートマフィアの殺し方。偽装だって出来る』
『だから貴方に頼んだ』
『3発、それから顎を割って…その後は海に捨てて』
太宰さんの瞳は怖かった
けど、今は生きてることへの疲労が
『私を殺して』
太宰「分かった」
私に向けて銃を構える
カチャリと銃がリロードされる
太宰「…」
太宰さんが私を見る目は冷たい
そりゃそうか
こんなこと頼んでしまったのだから
涙も溢れなかった
怖くなかったよ
銃の引き金を太宰さんの綺麗な指が引いた
『…ありがとう』
ぎゅっと目をつぶった
バンッ!!!!!
…
…
『なん…で』
銃弾は地面に撃たれていて
私は死ななかった
『なんでっ!なんで!!』
太宰さんの胸ぐらをぐっとつかむ
『なんで!!なん…で』
ここでやっと涙が溢れた
『な…で…』
ドサッ
私はそのまま地面に崩れるように倒れた
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夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 猫春#ねこはるさん» 読んでもらえてとっても嬉しいです!舞い上がってますw最初とその後の切り替え凄いですよね、ややこしい事になってしまいすみません…と思いながら優しい太宰さんも怖めな太宰さんも好きなので書いてしまいました (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 来世は推しと生きたいさん» ありがとうございます!次回作は芥川さんから一度離れてみようかと思い別の人物に手を出してしまいました。毎作品、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます! (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 取り消します。死ぬほど優しかったです(((今読んでる最中の人 (12月24日 17時) (レス) @page11 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 太宰さんが怖すぎて好きです (12月24日 17時) (レス) @page7 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
来世は推しと生きたい - 完結おめでとうございます!!何度も主様の作品に泣かされました…本当に感動物です。私は芥川推しなのですが,主様の書く原作を保ちながら優しさを少しずつ見せる感じがすごく好きです。あと夢主ちゃんの性格も毎回好きです!次回作も読ませて頂きます! (12月24日 17時) (レス) @page44 id: 3324b2c332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢幻泡影(むーにー) | 作成日時:2023年10月16日 0時