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それから時間がたった






朝になった






『お世話になりました』






『お仕事頑張ってください』






「あぁ、Aもな」







『はい』







龍之介さんの家を離れ探偵社にむかった







その前に、恐らくまだ来ていないであろう太宰さんの家にやった




 


ピンポーン







『…』








ピンポーン
















まだ寝ているのだろうか


















どうしても今日は一番に太宰さんに会いたかった








今日、一番早く








なるべく早く”ありがとう”を








それから、ごめんなさいを伝えたかった








だから一番角にある太宰さんの部屋の前







玄関の扉の横







廊下の突き当たりに座り込んで太宰さんを待つことにした







ぶるっと体が震える










冬に近づくこの寒い風が肌を刺す







はぁ…と吐いた息は白くなり宙に消えて行く








自分を抱き込むように三角座りで丸まった








膝に顔を埋め太宰さんをまつ


































太宰「ッふぁ…」








太宰「朝…か」







シャカシャカと歯を磨く






はだけた包帯を巻き直す







いつもの外套を着る







電話にはいつも通り国木田君からの電話がずらっと並んでいる








太宰「…」







太宰「?」







その中に一通だけ





Aを知らんか






と私の寝坊以外のメールが届いていた







取り敢えず、探偵社に向かうためにもAちゃんを探すためにも扉を開けた







太宰「寒ッ」







冷たい風が私の目を覚ます







鍵を閉めようと下を向いた







太宰「っへ!?」







そこにはAちゃんがいて







すぅすぅと寝息を立てているようだった







太宰「Aちゃん、Aちゃん」







と冷たくなった体を揺らすとゆっくりと顔を上げるAちゃん








『ッ!太宰さん!太宰さんっ』







ガバっと急に勢いよく飛びついてきた








太宰「どうしたんだい?」







『ごめんなさいッ。あとッ…ありがとうございます』







私は察した








あの時の私の手を振り払ったことを…





多分Aちゃんは








太宰「ふふっ…私の方こそごめんね」








太宰「ずっとここで待っていたのかい?」








『うん』








『どうしても最初に伝えたかった』







『どうしても今日一番に会いたかった』







太宰「そうかい」







そう震えるAちゃんを抱きしめた







太宰「ありがとう」







『はい』

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夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 猫春#ねこはるさん» 読んでもらえてとっても嬉しいです!舞い上がってますw最初とその後の切り替え凄いですよね、ややこしい事になってしまいすみません…と思いながら優しい太宰さんも怖めな太宰さんも好きなので書いてしまいました (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 来世は推しと生きたいさん» ありがとうございます!次回作は芥川さんから一度離れてみようかと思い別の人物に手を出してしまいました。毎作品、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます! (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 取り消します。死ぬほど優しかったです(((今読んでる最中の人 (12月24日 17時) (レス) @page11 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 太宰さんが怖すぎて好きです (12月24日 17時) (レス) @page7 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
来世は推しと生きたい - 完結おめでとうございます!!何度も主様の作品に泣かされました…本当に感動物です。私は芥川推しなのですが,主様の書く原作を保ちながら優しさを少しずつ見せる感じがすごく好きです。あと夢主ちゃんの性格も毎回好きです!次回作も読ませて頂きます! (12月24日 17時) (レス) @page44 id: 3324b2c332 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢幻泡影(むーにー) | 作成日時:2023年10月16日 0時

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