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ページ25

『いただきます』





「あぁ」






『…おい…ッゔっ』







パッと手を口に持って行く






「ッどうした」






ガッと席を立ちこちらに来くる







『ゔっ…』








たっと席を立ち上がりトイレにむかう







『ッガハッ…ゔっ』






「ッ」







「まさかっ」







「何日ッ…何日食べてない」







『…分からない』








『最後に何を食べたのかも』








『最後にご飯を食べたのがいつなのかも』







「…何故食えぬ」







『思い出してしまうの』






『限界をとどめていない、人間だったものを』






『失礼だって分かってるッ』





『でもっ…でも…』






『どうしても耐えれない…』








ポタポタと涙を流し歯を食いしばるAの頭をそっと抱きしめた







「…それが普通の人間だ」






「優しい証拠だ」







「綺麗な証拠だ。そのままで良い」







「僕のように、人を殺して何も思わない奴よりよっぽど良い」






「…Aの仕事があるのは僕のせいだ」







「恨むと良い」


 




何と言われるだろうか







そう待っていたが帰ってきた言葉は意外だった








『ありがと…ございます』








「ッ!?」









『龍之介さんが居るからこの街は守られているんです』







と僕の胸に頭をぐりぐりとしながら抱きしめる力を強めたA






『龍之介さんが暴力を持っているから…この横浜の街はほかの悪から守られている』







『それから…龍之介さんが、パートマフィアが手にかけるのは悪人だけだから』








『横浜の危機を救うのは…龍之介さん達ポートマフィア』







『それから、武装探偵社に異能特務科』






『マフィア…と言って仕舞えば悪かも知れませんが』


 



『少なくとも私にとって龍之介さんはヒーローです』






 

「はっ…ヒーローか」








「…ご飯は食べられそうか?」








『…今なら』





 

『食べられそう』







もう一度食卓にもどる






スープを一口飲み込む







久しぶりに薬以外のものが身体に入った







『おいしい』







また、涙が溢れた






嬉しかった






久しぶりに食べられたご飯







それも龍之介さんと一緒に








昔から夢見た光景だった








『龍之介さんっ…』







「どうした」








『幸せです』








「良かった」







私にとって龍之介さんとの出会いは今後ないほど








大切なものだったんだ

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夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 猫春#ねこはるさん» 読んでもらえてとっても嬉しいです!舞い上がってますw最初とその後の切り替え凄いですよね、ややこしい事になってしまいすみません…と思いながら優しい太宰さんも怖めな太宰さんも好きなので書いてしまいました (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 来世は推しと生きたいさん» ありがとうございます!次回作は芥川さんから一度離れてみようかと思い別の人物に手を出してしまいました。毎作品、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます! (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 取り消します。死ぬほど優しかったです(((今読んでる最中の人 (12月24日 17時) (レス) @page11 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 太宰さんが怖すぎて好きです (12月24日 17時) (レス) @page7 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
来世は推しと生きたい - 完結おめでとうございます!!何度も主様の作品に泣かされました…本当に感動物です。私は芥川推しなのですが,主様の書く原作を保ちながら優しさを少しずつ見せる感じがすごく好きです。あと夢主ちゃんの性格も毎回好きです!次回作も読ませて頂きます! (12月24日 17時) (レス) @page44 id: 3324b2c332 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢幻泡影(むーにー) | 作成日時:2023年10月16日 0時

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