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Aちゃんを抱きしめて数分
『太…宰さん』
太宰「ッAちゃん」
『ッ!今の時間は!?』
太宰「12時だよ」
『行かないとッ…いかないと…』
震えた声で身支度を始めるAちゃん
体も震えて
苦しそうに涙をこぼしながら
…
そんなAちゃんを私は見ていることしか出来なかった
行かなくていい
そう伝えられたらどれほど気持ちが楽になれただろうか
『…太宰さん』
太宰「なんだい?」
『ありがとうございます』
太宰「おかしなことを言うね」
太宰「君を苦しめている元凶は私なのに」
『…違います』
『この仕事は探偵社から任されたものじゃない』
『この仕事は…軍警からのものでしょ?』
太宰「ッ…何故、そう言い切れるのだい?」
『だって…武装探偵社が取り扱う業務内容にこのような仕事は含まれていないはずですから』
太宰「…賢くなったね」
…
…
太宰「おいで」
『?はい』
太宰さんに近づくとまた抱きしめられた
太宰「どうしても耐えれなくなったときは」
太宰「探偵社を抜けなさい」
太宰「その後の道は私も一緒に探すから」
『駄目です』
『そんなこと』
太宰「ッ…何故」
『…これ以上、迷惑は掛けられません』
『それに、貴方達とは離れたくない』
『軍警からの仕事を無断で放棄すれば、探偵社の評判が落ちるかもしれない』
『遺族の元に思い出が伝わらないかもしれない』
『この仕事は辛い。けれどその苦しさに見合うほど大切なものなんです』
太宰「…そうかい」
はい
そう言って欲しかった
探偵社を抜けたいと
逃げ出したいと
…でもAちゃんはこの仕事を続けると
駄目だ
駄目だよ
だって、このまま仕事を続けるなんて
Aちゃんが…
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夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 猫春#ねこはるさん» 読んでもらえてとっても嬉しいです!舞い上がってますw最初とその後の切り替え凄いですよね、ややこしい事になってしまいすみません…と思いながら優しい太宰さんも怖めな太宰さんも好きなので書いてしまいました (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 来世は推しと生きたいさん» ありがとうございます!次回作は芥川さんから一度離れてみようかと思い別の人物に手を出してしまいました。毎作品、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます! (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 取り消します。死ぬほど優しかったです(((今読んでる最中の人 (12月24日 17時) (レス) @page11 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 太宰さんが怖すぎて好きです (12月24日 17時) (レス) @page7 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
来世は推しと生きたい - 完結おめでとうございます!!何度も主様の作品に泣かされました…本当に感動物です。私は芥川推しなのですが,主様の書く原作を保ちながら優しさを少しずつ見せる感じがすごく好きです。あと夢主ちゃんの性格も毎回好きです!次回作も読ませて頂きます! (12月24日 17時) (レス) @page44 id: 3324b2c332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢幻泡影(むーにー) | 作成日時:2023年10月16日 0時