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「……あれ？
そう云えば……太宰さんは？」
「彼なら別の場所に居るわ」
周りを見渡しても太宰の姿は見えない。今さっき消えた訳ではなく、宴が開催してからずっと彼の姿はない。
神出鬼没な太宰だが、こんな長時間姿を見せないのには流石に心配になる敦。
そんな敦に、後ろから一人の女性が話しかける。
「あ、あの時の！？」
「お久しぶり」
此方に向けて微笑む金髪の女性＿＿＿その見覚えのある姿に敦は驚きを隠せなかった。
彼女こそが組合の構成員からの銃弾を無効化した人物。
白鯨脱出後に太宰達の元へ向かう時、敦の手助けしてくれた人物だったのだから。
「綺麗な人…」
「あら、本当？そう云ってくれて嬉しいわぁ…。あの子達にも見習ってほしいわね」
はぁ…と、溜息をつく女性。
然し、敦はこの女性が何者なのか疑問に思っていた。
───社長の関係者か…？
そう敦は考えたが、直ぐその考えは消される。
福沢と仕事でよく関わる人物は、事前に渡された資料で既に確認済みだ。だが、この女性は資料に載っていなかった。
部外者が無断で入って来たという理由も考えたが、その考えもまた消される。
目の前で和気藹々と谷崎兄妹・賢治と話している光景を見れば部外者とも思えなかった。
「私が何者なのか知りたい？」
「え、」
「顔に書いてあるもの」
誰も気にも止めていなかったが、下半身を隙間から抜き、女性は改めて此方側を向く。
くるり…と、回転した事によって何房にも束ねられた長い金色の髪の毛が揺れ、美しく輝いた。
「改めまして自己紹介をするわ。
私の名前は八雲、八雲紫。幻想郷の賢者よ」
［神隠しの主犯 八雲紫。
＿＿＿＿境界を操る程度の能力］
そう女性＿＿＿＿八雲紫が名乗った事で、敦・鏡花・賢治の三人に衝撃がはしる。
先程まで知り合いの如く話していた賢治が、真逆の知り合いではなかった事に二重の意味で驚く敦。
然しそこは「賢治君だから、だって賢治君だから…」と、自分一人で勝手に納得していた。
だが、驚く原因は其処ではない。
「げ、幻想郷ってあの！？」
「あら、知ってるの」
「勿論ですよ！孤児院の本で書いてありました！」
敦だけでは無く、鏡花……それに加えて賢治も幻想郷の事を知っていた。
寧ろ、幻想郷の事を知らない人の方が少ない位には知名度もある。この世界 では幻想郷の存在がかなり明るみになっているからだ。
「へぇ…外の世界ではそんな事になってるのね」
「そんな事？」
「いや、何でもないわ。
処で───あの子 はもしかして、此処に居ないのかしら？」
【２３章６話】宴の始末 ページ44
「……あれ？
そう云えば……太宰さんは？」
「彼なら別の場所に居るわ」
周りを見渡しても太宰の姿は見えない。今さっき消えた訳ではなく、宴が開催してからずっと彼の姿はない。
神出鬼没な太宰だが、こんな長時間姿を見せないのには流石に心配になる敦。
そんな敦に、後ろから一人の女性が話しかける。
「あ、あの時の！？」
「お久しぶり」
此方に向けて微笑む金髪の女性＿＿＿その見覚えのある姿に敦は驚きを隠せなかった。
彼女こそが組合の構成員からの銃弾を無効化した人物。
白鯨脱出後に太宰達の元へ向かう時、敦の手助けしてくれた人物だったのだから。
「綺麗な人…」
「あら、本当？そう云ってくれて嬉しいわぁ…。あの子達にも見習ってほしいわね」
はぁ…と、溜息をつく女性。
然し、敦はこの女性が何者なのか疑問に思っていた。
───社長の関係者か…？
そう敦は考えたが、直ぐその考えは消される。
福沢と仕事でよく関わる人物は、事前に渡された資料で既に確認済みだ。だが、この女性は資料に載っていなかった。
部外者が無断で入って来たという理由も考えたが、その考えもまた消される。
目の前で和気藹々と谷崎兄妹・賢治と話している光景を見れば部外者とも思えなかった。
「私が何者なのか知りたい？」
「え、」
「顔に書いてあるもの」
誰も気にも止めていなかったが、下半身を隙間から抜き、女性は改めて此方側を向く。
くるり…と、回転した事によって何房にも束ねられた長い金色の髪の毛が揺れ、美しく輝いた。
「改めまして自己紹介をするわ。
私の名前は八雲、八雲紫。幻想郷の賢者よ」
［神隠しの主犯 八雲紫。
＿＿＿＿境界を操る程度の能力］
そう女性＿＿＿＿八雲紫が名乗った事で、敦・鏡花・賢治の三人に衝撃がはしる。
先程まで知り合いの如く話していた賢治が、真逆の知り合いではなかった事に二重の意味で驚く敦。
然しそこは「賢治君だから、だって賢治君だから…」と、自分一人で勝手に納得していた。
だが、驚く原因は其処ではない。
「げ、幻想郷ってあの！？」
「あら、知ってるの」
「勿論ですよ！孤児院の本で書いてありました！」
敦だけでは無く、鏡花……それに加えて賢治も幻想郷の事を知っていた。
寧ろ、幻想郷の事を知らない人の方が少ない位には知名度もある。
「へぇ…外の世界ではそんな事になってるのね」
「そんな事？」
「いや、何でもないわ。
処で───
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えぼし(プロフ) - 造花さん» 矢張り応援コメントは嬉しいですね。ありがとう御座います！造花さんは二週間後にテストなんですね…頑張ってください。本当に一夜漬けはオススメしません！本当に！！ (2022年11月3日 20時) (
レス) id: 0e1ad52da6 (このIDを非表示/違反報告)
造花 - テストお疲れ様です。えぼしさんの作品はどれも面白いので更新楽しみにしています！体調を崩さぬようゆっくりとお休みください。私も二週間後にテストがあるので頑張ります。 (2022年11月3日 20時) (レス) @page31 id: bae08d35f3 (このIDを非表示/違反報告)
えぼし(プロフ) - れいれいさん» 楽しみにして頂ける分、体調を崩さぬよう頑張りますね！ (2022年10月1日 20時) (レス) id: 0e1ad52da6 (このIDを非表示/違反報告)
れいれい - 頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年10月1日 20時) (レス) @page14 id: 26ecfa2b3e (このIDを非表示/違反報告)
えぼし(プロフ) - れいれいさん» 作者の自己満作品を面白いと云ってくれるなんて…！ありがとうございます！更新が不安定になる時もありますが、モチベを下げずに頑張ります！ (2022年10月1日 8時) (レス) id: 0e1ad52da6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えぼし | 作成日時：2022年9月16日 17時
