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「さて、どうします？
マフィアのプライドを持って無理やり連れて帰るか、プライドを捨て大人しく帰るか」
「本当に、性格の悪い質問しやがる。マフィアが脅しに乗らないって事を熟知してんな」
「だって元マフィアですもの、当たり前です。死ぬ覚悟は何時でも出来てるんですよ」
御阿礼が何時でも死ぬ宣言をすれば、周りの空気が一瞬で凍りついた。
「…俺等 に利用される位なら、簡単に死ぬってか」
「私だって簡単に命を棄てたくない。
でも、『この力をもう悪用してはいけない。誰にも私を操れさせない。私は私の意思で生きる。』…って、そう決めたんです」
───昔みたいに戻りたくない。光が似合わなくても……。
鏡花と御阿礼はある意味似ていた。顔の部分 も似ているのだがそれは違う。
似ているのは彼女達の境遇だ。
二人は１４近くの歳でマフィアに入り、強力な異能を持っている。そして＿＿＿＿闇に咲く花でありながらも光の世界に恋い焦がれた。
「貴方の意思が変わらないように、私の意思もそう簡単には消えないンですよ。………今迄ありがとうございました。中也さん」
紫水晶の瞳がゆっくりと、細められた。
そして、拳銃の引き金に手をかける。
・
「サヨウナラ」
・
そう御阿礼は一滴の涙を流して、引き金に力を入れる。
時の流れを操っている訳でも、瀟洒なメイドが居る訳でもないのに時間が遅く感じた。
あと数ミリで引き金が切れ銃弾が放たれる瞬間、一人の大きな声が響く。
「待て！」
それを止めたのは中也だった。
中也は拳銃を持っている手首を掴み、御阿礼の肩に頭をグリグリ押し付ける。
状況が状況なので、後ろで立っている与謝野と賢治の顔は二人共見えていない。
「判った。完敗だ。だから、銃を下ろしてくれ」
「そう云ってくれて良かったです」
流石の中也でも冷酷なマフィアではいられなかった。
大切で、悪戯心があり、カッコつけたい可愛い想い人の死ぬ瞬間を想像してしまったから。
「今回は低くが、次はそういかねェ。組合に捕まらないように頑張れ」
「はい、ありがとうございます。中也さん」
探偵社の三人に背を向け手を振り、中也は講堂から去っていく。
緊張の糸が切れ、はぁーー。と溜まった溜息をつく御阿礼。
「危なかった。これはセーフよね！」
「ナニ云ってンだい。アウトだろ」
「…駄目？」
「そんな顔しても無駄だよ。完全にアウトだ、レッドカードだね」
「……賢治くん」
「これはアウトですね！」
少しだけ怒りが見えかけているニコニコの笑顔で返す賢治。
デスヨネ…と御阿礼は再び溜息をついた。
【１６章９話】The strategy of conflict ページ41
「さて、どうします？
マフィアのプライドを持って無理やり連れて帰るか、プライドを捨て大人しく帰るか」
「本当に、性格の悪い質問しやがる。マフィアが脅しに乗らないって事を熟知してんな」
「だって元マフィアですもの、当たり前です。死ぬ覚悟は何時でも出来てるんですよ」
御阿礼が何時でも死ぬ宣言をすれば、周りの空気が一瞬で凍りついた。
「…
「私だって簡単に命を棄てたくない。
でも、『この力をもう悪用してはいけない。誰にも私を操れさせない。私は私の意思で生きる。』…って、そう決めたんです」
───昔みたいに戻りたくない。光が似合わなくても……。
鏡花と御阿礼はある意味似ていた。顔の
似ているのは彼女達の境遇だ。
二人は１４近くの歳でマフィアに入り、強力な異能を持っている。そして＿＿＿＿闇に咲く花でありながらも光の世界に恋い焦がれた。
「貴方の意思が変わらないように、私の意思もそう簡単には消えないンですよ。………今迄ありがとうございました。中也さん」
紫水晶の瞳がゆっくりと、細められた。
そして、拳銃の引き金に手をかける。
・
「サヨウナラ」
・
そう御阿礼は一滴の涙を流して、引き金に力を入れる。
時の流れを操っている訳でも、瀟洒なメイドが居る訳でもないのに時間が遅く感じた。
あと数ミリで引き金が切れ銃弾が放たれる瞬間、一人の大きな声が響く。
「待て！」
それを止めたのは中也だった。
中也は拳銃を持っている手首を掴み、御阿礼の肩に頭をグリグリ押し付ける。
状況が状況なので、後ろで立っている与謝野と賢治の顔は二人共見えていない。
「判った。完敗だ。だから、銃を下ろしてくれ」
「そう云ってくれて良かったです」
流石の中也でも冷酷なマフィアではいられなかった。
大切で、悪戯心があり、カッコつけたい可愛い想い人の死ぬ瞬間を想像してしまったから。
「今回は低くが、次はそういかねェ。組合に捕まらないように頑張れ」
「はい、ありがとうございます。中也さん」
探偵社の三人に背を向け手を振り、中也は講堂から去っていく。
緊張の糸が切れ、はぁーー。と溜まった溜息をつく御阿礼。
「危なかった。これはセーフよね！」
「ナニ云ってンだい。アウトだろ」
「…駄目？」
「そんな顔しても無駄だよ。完全にアウトだ、レッドカードだね」
「……賢治くん」
「これはアウトですね！」
少しだけ怒りが見えかけているニコニコの笑顔で返す賢治。
デスヨネ…と御阿礼は再び溜息をついた。
【１６章１０話】The strategy of conflict→←【１６章８話】The strategy of conflict
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えぼし(プロフ) - 月華さん» わかります東方と文ストっていいですよね。話を面白いと言ってくれてありがとうございます！ (2022年7月17日 16時) (
レス) id: 0e1ad52da6 (このIDを非表示/違反報告)
えぼし(プロフ) - 忍狼さん» よろしいと思いますよ (2022年7月17日 16時) (レス) id: 0e1ad52da6 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - こんばんはです！東方と文スト大好きで、えぼしさんのこのお話も面白くて大好きです！続きを楽しみにしてます！ (2022年7月16日 23時) (レス) id: 216fbd3da5 (このIDを非表示/違反報告)
忍狼 - 無理なら良い!頑張っててね! (2022年7月16日 18時) (レス) id: aba775bb80 (このIDを非表示/違反報告)
忍狼 - 僕が更新に合作します?銀魂+たくっちの合作で。僕が作りますのでよろしい? (2022年7月15日 16時) (レス) id: aba775bb80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えぼし | 作成日時：2022年7月14日 18時
