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「何とかくの如き華麗なるご婦人が、若き命を散らすとは……！ 何という悲劇！
悲嘆で胸が破れそうだよ！どうせなら私と心中してくれれば良かったのに！」
荒ぶる太宰を敦はジト目で静かに見ている
今は何時も通りこんなだが数分前までは大変だった
吊るされていた太宰では死角に成ってのか
乱歩と御阿礼が手を繋いでいた事は見えていなく
降り見た太宰は物凄く焦った様子で
乱歩と御阿礼の間をベリッと引き剥がし何とか其の場は収まった
「……誰なんだあいつは」
「同僚である僕にも謎だね」
「性格がとても残念なんですよ」
太宰を引くような目で見る箕浦に
乱歩は笑いながら
御阿礼は矢張り妹 と同じで毒舌ながらも
二人は太宰の世界 を遠くから見ながら箕浦に同意をした
「しかし安心し給え御麗人。稀代の名探偵が必ずや君の無念を晴らすだろう！ねえ乱歩さん？」
ばっ。と三人の居る方向へ勢い良く
また自信満々の顔で振り向いた
「ところが僕は未だ依頼を受けていないのだ。名探偵いないねぇ、困ったねぇ」
フゥと溜息を吐くと面白い玩具を見つけた子供の様な笑顔で
少し遠くで状況を見ていた警官の青年に指を差した
「君、名前は？」
「じ、自分は杉本巡査です。
殺された山際女史の後輩────であります」
急に指名された事に驚きながら真っ直ぐな背筋で挨拶をする
その聞いた張本人の乱歩はふーん。と呟き
御阿礼に向かって手の平を差し出す
「御阿ー。懐中時計ある？」
「はい、どうぞ」
「流石だね」
御阿礼から貰った懐中時計を持ち
残った手で杉本の肩に置き満面の笑みでこう云い放った
「よし杉本君。今から君が名探偵だ! 60秒でこの事件を解決しなさい!」
【５章６話】Murder on D Street ページ7
「何とかくの如き華麗なるご婦人が、若き命を散らすとは……！ 何という悲劇！
悲嘆で胸が破れそうだよ！どうせなら私と心中してくれれば良かったのに！」
荒ぶる太宰を敦はジト目で静かに見ている
今は何時も通りこんなだが数分前までは大変だった
吊るされていた太宰では死角に成ってのか
乱歩と御阿礼が手を繋いでいた事は見えていなく
降り見た太宰は物凄く焦った様子で
乱歩と御阿礼の間をベリッと引き剥がし何とか其の場は収まった
「……誰なんだあいつは」
「同僚である僕にも謎だね」
「性格がとても残念なんですよ」
太宰を引くような目で見る箕浦に
乱歩は笑いながら
御阿礼は矢張り
二人は太宰
「しかし安心し給え御麗人。稀代の名探偵が必ずや君の無念を晴らすだろう！ねえ乱歩さん？」
ばっ。と三人の居る方向へ勢い良く
また自信満々の顔で振り向いた
「ところが僕は未だ依頼を受けていないのだ。名探偵いないねぇ、困ったねぇ」
フゥと溜息を吐くと面白い玩具を見つけた子供の様な笑顔で
少し遠くで状況を見ていた警官の青年に指を差した
「君、名前は？」
「じ、自分は杉本巡査です。
殺された山際女史の後輩────であります」
急に指名された事に驚きながら真っ直ぐな背筋で挨拶をする
その聞いた張本人の乱歩はふーん。と呟き
御阿礼に向かって手の平を差し出す
「御阿ー。懐中時計ある？」
「はい、どうぞ」
「流石だね」
御阿礼から貰った懐中時計を持ち
残った手で杉本の肩に置き満面の笑みでこう云い放った
「よし杉本君。今から君が名探偵だ! 60秒でこの事件を解決しなさい!」
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作者名：えぼし | 作成日時：2022年4月1日 9時
