元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ46)

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【７章９話】うつくしき人は寂として石像の如くページ46

「でも！捕まれば君は死罪で」

「マフィアに戻っても処刑される。
　それに───

　35人殺した私は、生きていることが罪だから」

敦に取ってもらった大きな兎人形の手を掴んで鏡花は諦めた切ない表情を浮かべている

マフィアに居た頃より敦達(光側)がとても居心地が良かったのだろう

鏡花の諦めたの言葉を聞いた敦は苦しいく顔を顰めた

しかし自分が止めないと彼女はもう戻っては来ない。そう思ったのか

俯いていた顔を上げて鏡花を引き留めようと口を開いた

「────」

鏡花を引き留める言葉を発する前に…

＿＿＿＿ドスッと効果音と共に敦の心臓付近に黒くて鋭い何かに貫かれた

「ゲホッ」

刺された衝撃で敦は口から血を吐き出し

鏡花はその音を聴くと一瞬で恐怖の表情と変わり後ろを振り向いた

様々な表情や感情を露わにする二人の耳に男の声が響く

「処刑?」

「処刑などせぬ。お前は任務を為果せた」

「あ……」

振り向いた鏡花の目線の先には芥川龍之介が外装を変化させて立っていた

その姿を見た鏡花は倒れている敦を支えようとしているが固まってしまう

「おい！、何をしている！」

目の前は交番なので様子を見に来た警官がそう叫んだ

交番の目の前に黒い車が数台止まり黒服達は銃を構えて警官達に向けて銃弾を撃ち込む

「お前の任務は『餌』。

　───お前には発信機が埋め込んである。居所は筒抜けだ」

表情が完全に恐怖に支配されてしまった鏡花

するとマフィアの物と思われる貨物自動車(トラック)が止まり

芥川は羅生門で刺さっている敦を荷台に投げ込んだ

その衝撃で敦はまたもや口から血を吐き出してしまう

そして芥川は震えている鏡花の肩をトンと叩いて頭を掴んだ

「帰るぞ」

その芥川の一言は鏡花にとって恐ろしい声だった

恐怖で鏡花は地面座り込んでしまうとバタンと扉が閉まる音が鳴った

鏡花が音の鳴った方向を見ると敦を乗せた貨物自動車(トラック)は走り出していた

一瞬にして血塗れに成った此の場所は

＿＿＿＿血液が付着している兎人形が取り残されていた

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