元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ41)

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【７章４話】うつくしき人は寂として石像の如くページ41

「だがマフィアに戻しても、裏切り者として刑戮(ころ)される」

「そんな！」

「なら、お前が助けるか？」

何方にしても鏡花にとって残酷な条件に敦は声を荒げる

だが国木田は冷静に言葉を返した

「極刑の手配犯でマフィアの裏切り者。
　その凡て肩代わりする覚悟がお前にはあるか？」

「……それは」

「敦」

下を俯く敦に国木田は声をかける

「不幸の淵に沈む者に心を痛めるなとは云わん。
　だが、この界隈はあの手の不幸で溢れている」

国木田の言葉を聞くと敦は目を逸らす

敦も武装探偵社に入る迄、同じ事を経験したからだ

「お前の舟(ボート)は一人乗りだ。
　救えない者を救って乗せれば───共に沈むぞ」

(でも……だとしたら、

太宰さんと御阿礼さんは何故、僕を助けたんだ?)

敦と国木田が話している廊下とは別に部屋では鏡花と御阿礼が座っている

鏡花は廊下で二人が話している内容を予想出来ているのか暗い顔をして空を見ていた

「鏡花ちゃん」

御阿礼はチョイチョイと鏡花を手招きする

鏡花は不思議に思いながらも正座のまま近づいた

───『幻想郷縁起・氷の小さな妖精』

「！、綺麗…」

「フフッ、ありがとう」

異能力を使うと御阿礼の手に氷で出来たスノードームが現れた

鏡花はスノードームの綺麗さに目をキラキラさせている

そんな目を輝かせている鏡花を見て御阿礼はフワリと優しく微笑んだ

「やっぱり鏡花ちゃんは光(コチラ)側が似合うわ」

「え…？」

「少しだけ無責任な事を云ってしまうけどね」

そう云っているが御阿礼の表情は真剣で真っ直ぐで鏡花を見ている

「私は鏡花ちゃんに起こった事はよく判らない。
　でもね、経験上だれしも光に憧れる事は少なくないわ。
　鏡花ちゃんが光(コチラ)側に来たいのなら───

───欲を出し諦めないようにね」

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【氷の小さな妖精】
・御阿礼の異能力の一つ
・関係に云うと“冷気を操る程度の能力”
・霧の湖に住んでいるおてんば恋娘(妖精)の能力

〈効果〉
・小さな物なら瞬間で凍らせられる
・また氷で剣や矢を造形できる腕がある
・冷気はダダ漏れで付近はいつも寒い
・飛んでくる攻撃(弾幕)を凍らせる事もある
・使い過ぎると凍傷状態になる

「原作とは違い少々オリジナルを入れています」

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