元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ38)

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【７章１話】うつくしき人は寂として石像の如くページ38

「あら、敦君やっぱり気を失っているなぁ」

御阿礼が『うずまき』で与謝野に場所を教えてもらいスキマで現場に行くと

其処には濡れていて気を失っている敦を支えている鏡花の二人が居た

「こんにちわ。私の名前は稗田御阿礼よ
　貴方のお名前を教えてくれないかしら？」

「！、……泉鏡花」

御阿礼を見ると鏡花は目を見開きながらも物騒では無い自己紹介をする

鏡花の目には御阿礼では無く着物を着た女性が一瞬だが写っていた

「そう、なら鏡花ちゃんね。
　お疲れ様。疲れたなら寝て良いわよ」

鏡花はコクリと頷き御阿礼の胸に体重を掛け暫くすると眠りについた

「おやすみ」

＊＊＊

＿＿＿＿探偵社の医務室

その中では眠っている鏡花と監視をしている御阿礼と与謝野がいた

その一方で医務室の外では国木田が敦に厳しい言葉をかけている

すると眠っている鏡花の瞼が少し上がった

「！、与謝野さん」

「判ったよ」

与謝野は外に居る国木田と敦に鏡花が目覚めた事を云い医務室を出た

「お早う鏡花ちゃん。よく眠れた？」

「…うん」

「そう、よかった」

少しぎこちないが余り警戒はせずに会話出来ているようだ

鏡花と御阿礼が他の話しをしていると国木田と敦が医務室に入ってくる

「……大丈夫？
　ええと……ここは探偵社の医務室。工合どう？」

「……」

「娘、黒幕の名を吐け」

「……」

御阿礼とは違い未だ二人を警戒しているのか口を開かない

それに痺れを切らしたのか国木田は鏡花に強く云う

「マフィアの部隊は蛇うわばみと同じだ。
　頭を潰さん限り進み続ける。答えろ、お前の〝上〟は誰だ」

「「く、国木田さん」」

「……橘堂の湯豆腐」

「へ？、とうふ？」

二人が医務室に入って来たて初めて発した言葉の〝湯豆腐〟。

その衝撃(インパクト)が大きく敦は未だしも国木田と御阿礼も困惑する

「おいしい」

「……？」

「食わせろ。と云う事か？」

「食べたら話す」

「なあんだ、良いよその位」

にこやかに笑う敦を見て国木田と御阿礼は驚いたような呆れた表情を表した

「……え？」

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