元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ31)

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【６章１３話】人を殺して死ねよとてページ31

「あんなネズミ花火で死ぬもンか」

与謝野は梶井の緑色のマフラー(？)を掴み持ち上げて

ひょいひょい。っと自身の頬を指先で交差に指を向け梶井に話す

「あー、今殴ったのどっち側だっけ？」

梶井は疑問符を頭に浮かべ震えた指で左頬を差す

それを与謝野は確認すると梶井の右頬を握り拳で殴った

「これで平等だ」

与謝野は片手を腰に当てもう一つの手は上空に向けた格好(ポーズ)をとる

その姿はまるで“竜宮の使いのｷｬｰｲｸｻｰﾝ”のようだ

「そんな、先まで瀕死だった筈……」

「こう見えて妾は医者でね。アンタの百倍は死を見てる。
『死』とは何かって？教えてやるよ。」

コッコッとヒールを鳴らし、

梶井のいる方向に話しながら近づく与謝野

「死は命の喪失さ。

　妾達医者が凡百手を尽くしても患者の命は指の間から零れ落ちる
〝死が科学の究極〟だと？、巫山戯るな！」

「命を大事にしない奴は、ぶッ殺してやる」

「お、思い出した……探偵社の専属医与謝野
　極めて稀少な『治癒能力者』だと」

「私のの能力『君死給勿』は凡百外傷を治癒させる
　自分の怪我だって、この通り。ただ、条件が厳しくってね」

疑問符を浮かべて床に座っている梶井を無視し

後ろを振り向き与謝野はあるき出した

「瀕死の重傷しか治せないのさ、
　これが実に不便でねェ。何しろ……」

向かった先には今日一日中、持っていた

黒い鞄の中身をゴソゴソとあさり何かを探す与謝野

「程々の怪我を治そうと思ったら、まず半殺しにしなくちゃならない」

「な……」

捜し物が見つかったのか与謝野は後ろを振り向く

与謝野が鞄から取り出したのは鉈だった

「……おやァ？
　怪我してるねェ、治してやろうか？」

君死給勿

「ひっ、ひぎゃあぁあぁあああ」

電車の先頭車両からは爆発ではなく

犯人＿＿＿＿梶井基次郎の悲鳴が今度は響き渡った

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