元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ29)

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【６章１１話】人を殺して死ねよとてページ29

先頭車両で爆発が起こった頃＿＿＿＿

ガダンガタンと電車の動きと共に揺れている吊り革。

その状況とは打って変わって夜叉の攻撃を受け額や手の等から血を流している敦は

息も荒々しくなりながらヒビが入っている扉にもたれ掛かっていた

血が吐き出された自身の手を見ている敦に鏡花と夜叉白雪が近付いてくる

「！」

敦はふと隣の車両に繋いである扉に目を向けた

そこには爆弾に怯える者，携帯電話を繋ぐ者，知り合い同士で慰め合う者，

など様々な自己防衛を行っている乗客が敦の目に止まる

(此処で死ぬのか僕は？また僕の所為だ
　僕と同じ電車に乗った、それだけの所為で、

　皆死ぬ)

「貴様は、生きているだけで周囲の人間を損なうのだ」

芥川に前日云われた言葉が脳内をよぎった。

それを聞いた敦は両手を頭に抑え顔を床に近づけ絶望の表情を浮かべる

そして敦の脳内に再生されたのは幼少期に孤児院の出来事だった

貴様は何故生きている？

周囲に迷惑と不幸を振りまき、何一つ成し遂げぬ者が

僕は……

誰も救わぬ者に生きる価値などない

自身の思い出したくない過去を脳内に再生され敦は横目に再び乗客に目を向ける

ボロボロに成りながらも自分達を守っている敦を遠くから見守る乗客達

その他にも大切な家族を守る者，絶望し地面に座っている者もいる

乗客達を見た敦は目を見開く。その敦の瞳には希望の光を宿らせていた

(その時唐突に────ある発想(アイディア)が浮かんだ)

重症な重い自身の身体をヨロッと立ち上がり、

威嚇のように仕込み刀に手を向ける夜叉と鏡花に向かって歩き出した

(莫迦げた発想(アイディア)だ。でも、頭から離れない
　もし万が一、僕が乗客を───
　彼らを無事家に帰せたなら────)

血塗れな身体を大の字にして敦は

脅える乗客達を守るように両腕を大きく広げた

(そうしたら僕は、生きていても良いって事にならないだろうか)

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作者「新作を作りました！」

新作→医者と幼女の超人社会ライフ【ヒロアカ✕文スト】

コチラも→えぼしのオリキャラ資料館!

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