元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ23)

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【６章６話】人を殺して死ねよとてページ23

「な……！」

「云った傍から御出ましってワケだ……！」

「ど、どうしましょう！」

慌てる敦を境目に与謝野は

落ち着きながら電車の椅子から立ち上がる

「一，大人しく捕まる
　二，疾駆する列車から乗客数十人と一緒に飛び降りて脱出
　……三」

「連中を……ぶっ飛ばす？」

敦の言葉に与謝野は後ろを振り向き唇を上げ親指を立てる

「何しろ妾らは、武装探偵社だからねえ」

「オイ、貴様ら武装探偵社なのか！？何とかしろっ！」

「あ…、さっきの…」

早速個人の持ち場に移ろうと準備をしていると

先程、与謝野に指を折られかけた男がやって来た

「おやおや、でも探偵はロハじゃ動かないよ？」

「金なら幾らでも払う！爆弾を止めて儂を助けろっ！」

「そいつは依頼かい？」

「そうだっ！」

「依頼じゃ仕方ないねェ」

上から目線な依頼だが与謝野はニッと笑う

前回も話したが与謝野も探偵社員の中で乱歩の次に年長者だ

私情を顔や身体に表したら探偵社員なんてやって行けないだろう

「そ……それからもう一つ」

まだ何か依頼があるのか。と、

与謝野は思ったのか機嫌よく男に微笑んだ

「その……××を××してくれるというのは本当か」

両手の人差し指を擦り合わせボソッと呟く

男が呟いたのは先程、与謝野が云った言葉だった

それを聞いた与謝野は数秒前の笑顔は何処へ行ったのか汚物を見るような表情に変わる

自業自得なのか男の頭は当然、与謝野の拳で殴り倒された

その後ろで敦は苦笑いをしながら此の光景を眺めている

そして二人の中で此の男はドＭのレッテルが貼られた

「さて敦、手分けして爆弾を解除するよ」

もう満足したのか買い物でも持っていた黒い鞄を持ち上げる

「妾は前、アンタは後部だ。」

「もし、敵がいたら？」

敦の質問に与謝野は横顔でも判る様に唇を上げる

「ぶっ殺せ！」

その言葉を合図に、

敦は後部へ与謝野は前部へ向けて走りだした

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