元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ22)

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【６章５話】人を殺して死ねよとてページ22

場所は移り変わり電車にて二人は横一列に並び座っている

そんな中で敦は申し訳なさそうな顔をし口を開いた

「済みません。さっきは」

「気にするこたァないよ。……ところでさ、
　アンタ、マフィアに脚を喰い千切られたそうじゃないか」

「……ああ」

「ふゥん。綺麗なモンだねェ」

「ぎゃいっ！？」

与謝野は敦の脚を持ち上げベロッと黒ズボンを捲る

(癒合痕も瘢痕もない、再生というより復元だ。
　『虎』は、これを一瞬で？)

あひひひひ。と云っている敦を与謝野は無視し真剣そうに観察をしている

「あ、あの。何か問題でも？」

「……別に」

冷や汗をかきながら聞いた敦に与謝野は

ぺいっと電車の椅子に脚を捨て落とし体制を戻す

「妾が治療できなくて残念だ、って話さ

　………でも、次はないよ」

「え？」

真剣な表情を浮かべ云った与謝野の言葉に敦は脅えた様な反応をした

だがヨコハマに来て日が浅くマフィアの本来のやり方を知らない敦に与謝野は忠告をする

「前回は探偵社に正面から突っ込ンで自滅したけど
　元来マフィアってのは奇襲夜討が本分だ。夜道にゃ気ィつけるんだね
　何時どこで襲ってくるか知れないよ」

(そうだ……奴等の狙いは僕。
　自分の身は自分で守るしか……)

《あァ〜〜、こちら車掌室ゥ。
　誠に勝手ながらぁ？唯今よりささやかな『物理学実験』を行いまぁす》

すると突然、車内放送が流れ始めた

恐らく此のテンションから放送をしている男は駅員では無いのだろう

《題目は『非慣性系における爆轟反応および官能評価』っ！
　被験者はお乗りあわせの皆様！
　ご協力、まァ〜〜〜〜っことに感謝！》

敦と与謝野は戦闘体制に入ったが

乗客は慣れておらず車内は困惑に塗れている

「では早速ですがぁ、これをお聞きくださぁ～～～い」

電車の二車目から大きな爆発音が発生した

「「！」」

「今ので２、３人は死んだかなぁ〜〜？でも次はこんなモンじゃありません！
　皆様が月まで飛べる量の爆弾が、先頭と最後尾に仕掛けられておりまぁ～～す！」

陽気なテンションで車内放送をしている男

緑色のマフラーを首に巻きバッチ等が着いている袖が破れている白衣

そして服装には合わない下駄で、床に転がっており

短刀に腹を刺され血が溢れている駅員を踏みつけている

「さてさて、被験者代表敦くん！
　君が首を差し出さないと、乗客全員天国に行っちゃうぞぉ〜〜〜〜〜？」

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