元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ14)

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【５章１３話】Murder on D Street ページ14

「…………」

「このままでは殺人犯。警察も馘首になる
　混乱した君が頼れる人物は皮肉なことに一人しかいなかった
　電話した君に議員は証拠隠滅の方法を教え君はその通り彼女の胸にもう二発撃って
　マフィアの仕業に偽装。発見を遅らせる為、川に遺体を流した」

乱歩の説明を聞いた箕浦が机に手を置き身を乗り出した

「山際が入手したという証拠品は何処だ」

「………」

「その議員は山際の仇だ。云え杉本！」

もう自身が山極女史を殺した証拠は揃っているのに

一向に山極の入手した証拠品の在処を話さない

杉本にバンッと体重を支えていた片腕で箕浦は机を叩き声を荒げる

「ねえ杉本くん」

このままでは証拠品が見つからず埒が明かない

そう判断したのか杉本の肩に手を乗せて翡翠色の瞳を開き話し出す

「彼女の最後の台詞を中ててみせようか」

[ごめんなさい]

〝ごめんなさい〟の六文字

御阿礼が人質にされた時に呟いた言葉だ

すると杉本巡査の目元がジワジワと熱くなる

瞳から水滴がどんどん溢れ出していき顔を

手錠で繋がれている両腕の間に埋めて静かに涙を流し出した

「……本当に、凡てお見通しなのですね……
　………証拠は……机の抽斗に……」

涙を流して自白した杉本を大きな硝子の窓から

敦、太宰、御阿礼は静かにジッとその様子を見ていた

＊＊＊

＿＿＿＿警察署の前

「……世話になったな」

乱歩が無事に事件を解決し

探偵社一行の四人の前には申し訳なさそうに謝る箕浦が立っている

そして何時の間にかヨコハマの空は夕焼け色になっていた

「それに………何だ、実力疑って悪かった。」

「難事件があったら、また頼む」

「僕の力が必要になったらいつでもご用命を。次からは割引価格で良いよ」

そう云って何時も通りの笑顔を浮かべる乱歩

普通の人ならば自分を莫迦にされた態度を取られたら怒るがそんな事は気にしていないらしい

よく乱歩は見た目や性格で最年少と思われがちだが

探偵社社員の中では最年長で在り宇宙一の頭脳を持つ人物なので気にも止めていないのだ

(能力か……)

鼻歌を歌いながら探偵社の帰り道を進んでいる乱歩を

一歩後ろで敦は興味深く見つめている

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