元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ2)

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【５章１話】Murder on D Street ページ2

探偵社襲撃後＿＿＿＿

御阿礼と賢治が「黒蜥蜴」を全員、窓から突き落とすと

探偵社の割れた窓や椅子等を片付けていると

一人、片付けていない者の声が響く

「また殺人事件の解決依頼だよ！
　この街の市警は全く無能だねえ。僕なしじゃ犯人ひとり捕まえられない」

茶色いハッチング帽を深く被りニッと乱歩は笑う

「でもまあ僕の【超推理】は探偵社、いやこの国でも最高の異能力だ！
　皆が頼っちゃうのも仕方ないよねえ！」

コッコッと靴を鳴らし敦が拾おうとしていた本を踏みつける

「乱歩さん。その足元の本、横の棚に戻さないと」

「これは失礼。はい、どうぞ」

トンッと本から飛び降り

本棚に戻せ。と云わんばかりに指を差す

「頼りにしています。乱歩さん」

サッと国木田が床に落ちていた本を拾い上げ棚に戻す

敦は乱歩の行動と国木田の優しい顔に驚いている

「そうだよ国木田。きみらは探偵社を名乗っておいて
　その実、御阿以外は猿ほどの推理力もありゃしない」

ビシッと国木田を指差し話し出す乱歩

「皆、僕の能力『超推理』のお零れに与っているようなものだよ？」

「凄いですよね『超推理』使うと事件の真相が判っちゃう能力なんて」

「探偵社、いえ全異能者の理想です」

乱歩を褒めちぎる探偵社社員を

サッ、サッと交互に見る敦

「宇宙一の異能力ですからね」

どうぞ。と御阿礼は何処から出したのか

判らないラムネを乱歩に差し出す

「流石だね御阿。まあ、当然さ」

はっはっは。と笑う乱歩の周りには掃除を中断した社員が

わいの、わいの。と集まっている

矢張りその光景が疑問なのか呆然と立ち尽くす敦

「小僧、ここはいいから乱歩さんにお供しろ。現場は鉄道列車で直ぐだ」

社員達が探偵社の掃除を再開し始めると国木田がそう云った

「ぼ、僕が探偵助手ですか？そんな責任重大な」

「真逆、二流探偵じゃあるまいし、助手なんて御阿で充分だよ」

そう云った乱歩は仙人掌(サボテン)を突いている

「嬉しいですねェ」

「え？じゃあ何故」

「僕、列車の乗り方判んないから」

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