“ 最高傑作 ” 実験体︰ NO.0 【ヴァニタスの手記】 (ページ10)

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10話ページ10

～ノエside

【……なぁノエ。
君は……その呪持ちが目の前にいても変わらず
あの蒼い月を、美しいと感じることが出来るのかな…】

ーー拝啓先生
お元気でしょうか、先生からの手紙を受け取りパリへと向かった俺は飛空船の中でとある事件に遭遇しそこで一人の男と出会いました。
彼の名はヴァニタス。蒼月の吸血鬼よりヴァニタスの書を受け継いだというただの人間で自称「吸血鬼(ヴァンピール)の専門医」

彼は俺の目の前で一人の吸血鬼(ヴァンピール)を救って(・・・)みせました。

ノ「……ヴァニタス1つ質問があるのですが」

ヴ「……なんだ言ってみろ」

ノ「どうして俺達は牢屋の中にいるんですか…？」

ヴ「うん、良い質問だ。ノエ君」

〜〜説明中〜〜

ヴ「理解したか？」

ノ「わかりません」

ヴ「わからないのか」

ノ「実際船に侵入したあんたはともかく、どうしてあの場に居合わせただけのオレまで捕まってるんですか！納得行きません！」

ヴ「オレがおまえも共犯だと言ってやったからだよ
ぶあぁぁああか!!!」
それに持ち物は全て没収されたぞ」

ノ「は…？ヴァニタスの書も!?」

ヴ「当然だ。なんだあの本が欲しかったのか？」

ノ「違います！オレはただ…！…ただーー…」

ヴ「……ふむ、「見極めろ」とは随分曖昧な言い方をするんだなお前の先生とやらは」

そうだ…「本を奪え」でも「処分しろ」でもない…
先生は俺に何をさせようとしているのだろうーー…？

…いや、それよりもまずーー

【ヴァニタス「救ってやる!!」】

ノ「あんたは…一体何者なんですか……？」

ヴ「……何、とは」

ノ「どうやってヴァニタスの書を手に入れたんですか？そもそも蒼月の吸血鬼との関係はーーー」

ヴ「というかだノエ!!
お前の目的がヴァニタスの書にあるなら俺と一緒に行動するべきだろう。何故頑なにオレへの協力を拒むんだ？」

ノ「…本当ですね…！」

ヴ「おい」

確かに彼の言う通りだ…！なのにどうしてオレはあんなにも…

ノ「そうか…わかりましたよヴァニタス！(ｺﾞﾝｯ)
多分俺はっ！あんたの事がそんなに好きじゃないんです!!

どうしましょう!?先生のためにはあんたと一緒に行くべきなんでしょうが生理的に無理というか！」

ヴ「あ…ｳﾝ…ﾄﾞｳｼﾖｳﾈ…？」