“ 最高傑作 ” 実験体︰ NO.0 【ヴァニタスの手記】 (ページ3)

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3話ページ3

【蒼月の吸血鬼】

昔々、ある所にヴァニタスと言う嫌われ者のヴァンピールが

おりました。

ヴァンピールとは本来、赤い満月の夜に産まれてくるもの

なのに、何故かヴァニタスだけは、不吉の象徴である

青い満月の夜に生まれてきてしまったのです。

皆はヴァニタスを怖がり、村から追い出しました

ヴァニタスは1人森の中を暗闇に怯え雪に凍えながら

彷徨い続けました。そして、胸に誓ったのです。

赤い月夜に生まれたヴァンピール達への

【復讐】を

[吹雪の中]

『……寒い…此処は……どこ…早く…“君”の元へ……』

ﾄﾞｻｯ…

『寒い…もう…動けない…』

……どのくらい歩いたのだろう

足の裏はもう、ふやけてヒリヒリし手は悴んでいる

もう……諦めようかな…

ｻﾞｸｯｻﾞｸｯｻﾞｸｯ (雪の中を歩く音)

『?! 誰っ?!』

？「んん？君は…？」

……顔が…見えない…怖い…

？「ｸﾞｲｯ (顔を近づける)
君は、人間かい？」

『あっ……私ｯ…』

？「…大丈夫、僕は君に何もしない」ﾆｺｯ

『……(怪しい…)』

？「ふふっ、怪しいと言う顔だね
…ふむ…人間“だった”の方が正しいのかもしれないね」

『っ……』

？「私の事は気軽に“先生”と呼んでもらって構わない」ﾆｺｯ

『せ…ん…せい…？』

先生「あぁ」

誰なんだ…この先生と言う人は…顔が見えないから表情が全く分からない…

先「ふむ…どうしたものか…僕は君を助けてあげたいが
私も色々あってね,今は助けられそうな状況では無いのだよ」

『…別に助けなんて……今更っ…』

先「だからね、1つ“助言”と言うものをしようかね」

『…助言…？』

先「うむ……君は、本当の心を大事にした方が良いね」

『私の…本当の、こころ…？』

先「君は、良い“真名”を持っているからね」ﾆｺｯ

『…真名…って…なn』ﾊﾞｯ (顔を上げる)

『ｯｯ ?! い…ない…？』

何だったんだ……真名…

私の…本当の…こころ…

『ｸﾞｯ (唇を噛む)
……歩こ… 』