【RE!】彫金師のはしくれだが、することが無い。仕事をくれ。 (ページ20)

今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:881 hit

・ページ20

めんどくせぇって、思うに決まってんだろ。自国の言葉じゃねぇから余計そうだよ。

「いえ、別に思わないです。」

微笑んでみせると、納得したのか納得してないのかよく分からない返事を残し、興味がなくなったのか違うやつへと話しかける。

コミュニケーション能力高いなこいつ。

ただの変態だと思ったが、コミュニケーション能力の高い変態か…。
犯罪に手を染めた時、
「普段は本当にいい子で、優しい子でした。でも、時々危ないことを言ってたりしてました…」
「いつかやると思ってました。」
とか言われそうだ。

怒りがまだ少し残った状態で放課後を迎えた。スクールバッグの中に、教科書などを入れて帰る準備をする。
ああなんだっけか。先輩が迎えに来るとか言ってたな。それを待たなきゃならねぇのか？

クソだりぃ。

やることも無く暇なので、行動を少しゆっくりにする。その間、別れの挨拶をしてくるやつらはいたが、会話をしようとするやつはいなかった。そろそろ飽きてきたか。入学二日目だけどな。

「アンゲルス！」

黒板側の教室の扉から声を掛けてきたのは勿論持田センパイで、何故オレに近い方の扉から声をかけてこないのか疑問に思った。
そうしたら、大声を出さなくても済むだろ？

しかし、その疑問もすぐに解決した。ざわざわと教室に残っている生徒と、廊下で持田センパイの声に気づいた生徒が一斉にオレと持田センパイを見たのだ。つまり、アイツがただ目立ちたかったのだろう。

迷惑極まりない。

さて、ここからは、オレが思い出したくもないし記憶に残す必要が無かったから省かせて貰う。
いや、それだとあなた達にはオレがどれだけ「持田」という人間が好きではないかということしか伝わらないな。
仕方ない…記録の後に消すことにする。

仮入部届けを書かされ、訳もわからず剣道の部活風景をまずは見学し、竹刀をすぶりさせられた。

次の日は「一人で剣道場まで来れるな」などと上からものを言われ、キレそうになりながらも頷き、見学という形で参加させられた。手が滑ったと、竹刀でヤツの喉元を突かなかったオレは偉い。

そして、淡々と一週間が過ぎ、気づいたら本入部という形になり、自分の胴着や面を買わされていた。
それらを買う時、おばさん(持田センパイの)が出してくれると言ったのだが、全力で断ったことは記載しておこう。

はぁ…ピアスの借金残ってるのに、なんでこんなことに大金を支払わなきゃならねぇんだ……。