51話 今回も家光さんSide。テスト期間だから、更新止めるね。 ページ10
助けてくれという旨の電話だったが、俺には任務がある。なにより、ラルを迎えに行かなければならない。だから断った。
しかし、断ったところで諦めてくれるヒトではない。
は？っと不満の声に続いて、物騒な単語が電話越しに何度も聞こえた。
補足として言っておくが、この先輩は一般人だ。
俺が何をしているのか知っているのか知らないのかは分かりかねるが(知っている可能性の方が高いことは言っておく)、大学で教鞭をとっているただの一般人なのだ。
そんな一般人から物騒な単語で脅されても、普通なら一方的に断り通話をやめる。
怖いことは何も無いから。
しかし、このヒトはこの物騒な単語をただ羅列させているわけではなく、実際に計画を立てながら言葉を選んで羅列させている。本気で計画に移り始めてたからな…ニトロ(爆薬)作り始めた時は流石に全力で止めた…。思い出したくないのに思い出される記憶に嫌気がさした。
空いている手で頭を抑えながら、このヒトから逃げ出す最善策を探す。
が、全く見つからない。
過去の自分が、「このヒトから逃げ出せる事があったか？」と光のない目で訴えてくる。
ああ…諦めるしかないようだ。
「わかりました…ただし、俺の仕事が終わってから向かいます。そこだけは譲れません。」
そう言うと、文句を言われたがなんとか納得してくれたようで、通話は終わった。
やっと会話が終わった…。
大きため息をつくと、運転してくれている部下とバジルに、ラルを拾ったら少し行くところがあることを伝えた。
二人に大丈夫か聞かれたが、大丈夫ではない声で大丈夫だと答えるしかなかった。
ミラーに写った自分の顔を見ると、二、三歳老けて見えた。
はぁ…。
ラルに教えられた場所に着き、車から降りてラルに事情を詳しく聞くため声を掛けた。
二言くらい会話をすると、聞き慣れた、いや、さっきまで聞いていた声がした。
見たくもないがそちらをみれば、やっぱりあのヒトだった。
最悪だ…。
−−−−−−−
生物学上では、人間のことを「ヒト」と表示します。なので、家光さんが「人」ではなく「ヒト」とお父さんのことを言うのはまあ人間として見てないからだと思ってください。
テスト期間に入りました。なので、更新を止めさせて頂きます。
沢山の評価、閲覧、有難う御座います。前アカウントではありますが、この作品の前話である方の評価が増えていたりするのはとても嬉しいです。
次に更新できるのは、12月9日以降だと思われます。
読んでいただけると…嬉しいです…。→←50話 そろそろ終われよ。
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作者名：奈宇 | 作成日時：2017年11月12日 15時
