50話 そろそろ終われよ。 ページ9
沢田家光さんside
任務でアジアの方へ行っていたラルとバジルを、ドイツで拾ってそのまま次の任務へ就こうとしたところだった。
ラル・ミルチから、何か騒動が起こっているようだから見てくると連絡が入った。
バジルとは別行動をしていたようで、その場にはラルしか居なかったようだ。
了解の意を告げ、バジルを回収したあとラルがいる場所までGPSを頼りに向かっていた。
すると、俺の携帯が鳴った。それは私用の携帯で、メールではなく電話なようだ。
そして、着信音がAve Satani。
この着信音にしている人物はただ一人。
大学時代の先輩で、不本意ながらお世話になった。
お世話になりたくなかったが、あれは仕方がないことだったんだ。何があったのかさえ、命にかかわらなければ思い出したくもないし、話したくもない。
その先輩というのが、悪魔でも天使でも無く、また人間でもない。
そんな性格をしている。
人間味のある人間ではないヒト。脳が警告を出してきているのか、頭が痛みだしてきた…。
二秒ほど出ることに迷ったが、出ないという選択肢は残念ながら無いのだ。あとが怖い。
「はい…。」
出る声が低くなってしまうのも仕方がない。
本当は、着信拒否をしてこの人からかかってくる電話は、公衆電話からであっても拒否されるようにしてしまいたいくらいには出たくないのだから。
電話口からは、昔から一切変わらずに存在している威圧感のある声がする。
今すぐ切りたい。
どこにいるのか聞かれたから、素直にドイツにいることを伝えた。
伝えたくなかったが。
「なんで知りたいんです？」
ただの興味本位で聞いてみた。返してもらえることは想定していない。
案の定、答えは返って来なかった。いや、返ってきたには返ってきたが、返事になっていなかった。
−−−−−−
家光さんSideです。
絶 対 に こ ん な キ ャ ラ じ ゃ ね ぇ 。
始終思いながら書いています。
そして、苦虫を噛み潰したような顔でずっと受け答えしてますし、バジル君は困惑した表情を浮かべていると思われます。
電話が切れたあとに、そっと親方様の具合を尋ねるのだと思います。もう少しだけ親方様の胃を痛めさせるけど許してね。
お父さんの着信音について
「オーメン」という映画のテーマソングでして、養子にとった赤ちゃんの周りで不幸なことが度々起こるんです。ネタバレですが、赤ちゃん悪魔なんですよ悪魔。
まあそんなことで、着信音がそうなってます。
51話 今回も家光さんSide。テスト期間だから、更新止めるね。→←49話 旅行編どんどん長くなっていくんだけど…え？なんなの？呪いなのかな…。帰ったら、初詣のついでにお祓い行ってくる。
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作者名：奈宇 | 作成日時：2017年11月12日 15時
