43話(多分) ページ2
いきなり始まります。
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分かってくれたかは分からないが、納得してくれたようだ。
「大変そうだなあんた。」
同情の眼差しを父さんに向けているけれど、私には全く見えてないよ。全力で見えてないふりするよ。
「ええまあ。大変ですよほんと…。」
なに父さん育児疲れの主夫的な顔しちゃってるのさ。やめてよ。というか、久しぶりだからって凄くイキイキしてるように見えるんだけど。気のせいかな。
「同情はするが、お前らが金を盗もうとしたという事実は変わらない。」
のんびりと明後日を眺めていたら、カチャッという音がした。ラル・ミルチさんがどうやら銃を構え直したようだ。ちょっと気を抜いていただけに驚くものがある。
いや久しぶりだし？心の準備とか丸々一二年前に置いてきたっていうか？ね？
「それはそうですけど、お金を元通りの財布にいれるので、見逃しちゃあくれませんかね？」
父さんが、銃を突きつけられてても一切の同様なく外道な台詞を吐く。流石僕のお父さん。言ってることがゲス。
タダでさえ怒っていて殺気が痛いし般若の面よろしくな形相を浮かべているラル・ミルチさんの顔が、もっと歪んだのが分かった。
父さんwwww何言っちゃってるのwwwやめてwwwwwwwww許されるわけないだろ。
「それで許されることだと思うのか？もしかして、日本じゃ、それが普通なのか？」
普通じゃないとわかっているぞという意志がひしひしと伝わってくるもの言いです。
はい。怖い。
怖いと言っても、母さんが夕飯を抜きにするくらい怒ったときよりは怖くない。だってね、窓枠とか障子がガタガタ言ってたんだよ？あと、鳥とかが一気に巣立って行った。凄かったなぁ…あれ。
殺気があたっているのにも関わらず、父さんは営業スマイルで会話を続けるようだ。なんだこいつ。
「日本でも普通じゃありませんがね。スリをされるなんて本人たちも重々承知したうえでされているでしょうし、そもそもこんな大金をわけずに一つの財布に入れておく方が悪いと思いますよ。
盗まれたくなければ盗まれないように対策を練れば良い。」
論点ズレてね？責任転嫁てきなやつしてませんか？
「財布をスられたお前がそれを言うのか？」
「スられたからこうして自分の財布を取り戻しに来たんですよ。」
平然とした態度で即答してますけどね父さん。真っ先に動いたのは僕だからね。そこら辺忘れないで欲しいな。
あと、
「逃げんなよスリ野郎。」
−−−−−
次回に続け
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作者名：奈宇 | 作成日時：2017年11月12日 15時
