第四十四話 ページ46
母さんに連れられて、ジョセフおじいちゃんの家に行った。
母さんはスージーおばあちゃんとおしゃべりをしていて、あの写真の事を聞くなら今しかない。
「ねえ、ジョセフおじいちゃん」
「なんじゃ、徐倫」
「あたしね、おじいちゃんが若い頃の写真を見たんだけど…」
父と一緒に写っていた赤毛の女の人の事を聞いた。
すると、ジョセフおじいちゃんは少し悲しそうな表情になった。
「徐倫、承太郎は……お前のお父さんは、若い頃につらい経験をしたんじゃ。それを未だに引きずっておる。それを知っていてほしいんじゃよ」
「つらい経験って…?」
「この子、檜垣千紘は亡くなったんじゃ。もう生きてはおらんのじゃよ」
「え……」
考えてもなかった答えに呆然としたけど、同時に納得もした。
あんなに優しい顔をした父が、どうして母さんと結婚したのか。この人がいないからなんだと。
「おじいちゃん、その千紘ってどんな人だったの?」
「そうじゃのぉ……承太郎にはナイショじゃぞ」
口に人差し指を当ててウィンクをしたジョセフおじいちゃん。
あたしは、父が好きだった人の話を聞けるのだとちょっとワクワクした。
「千紘ちゃんはの、お淑やかで花みたいな笑顔が可愛らしい子じゃった」
おじいちゃんから聞いた千紘さんは、いつしか知ったジャパニーズ大和撫子みたいな人だった。
父の持っていたあのサクラのペンダントも、千紘さんが送ったものらしい。
「徐倫」
話し終わったおじいちゃんは、あたしの頭をなでる。
「確かに承太郎は、まだ千紘への想いを引きずってはいるが、お前の母やお前を大切にしているのも事実じゃ。それを忘れんでおくれ」
「……うん」
ジョセフおじいちゃんの声がなんだか悲しそうで、あたしはそううなずいていた。
―これは、あたしが高熱で倒れる10日前の出来事―
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ローグ - めっちゃ面白いですね!更新頑張ってください!あ、あと16話の″後悔″は″航海″ですよ! (2019年3月24日 20時) (レス) id: 9534f8c68f (このIDを非表示/違反報告)
ナーガ(プロフ) - 輝夜さん» コメントありがとうございます!!返信が遅くなってしまいごめんなさい!これからもよろしくお願いしますっ! (2017年11月5日 15時) (レス) id: 44a0d047ab (このIDを非表示/違反報告)
輝夜 - 一言いいですか・・・・・おもしろすぎるわ馬鹿やろぉぉぉぉぉ!!!しかもコラソンとロー出てるしやばい((一言で収まらなかったw (2017年10月21日 15時) (レス) id: 9db3921189 (このIDを非表示/違反報告)
閻魔舞(プロフ) - ナーガさん» WWW はい!読ませていただきます! (2017年9月24日 1時) (レス) id: c9845c6beb (このIDを非表示/違反報告)
ナーガ(プロフ) - 閻魔舞さん» ありがとうございます!!よければ、他の作品もよろしくお願いしますね!(さりげなくアピールww) (2017年9月23日 22時) (レス) id: 33ea84a1a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナーガ | 作成日時:2017年8月8日 18時